綿谷画伯のコンサバお洒落妄想旅計画
家に籠る時間が増えると、自ずと旅への想いが募るもの。訪れたい地へ想いを馳せれば、何を着ていくか、何が食べたいかと、そこでの楽しみ方が浮かんでくる。取材に遊びに、国内外のあらゆる地へ足を運んだ、画伯が思い描く、とっておきの旅計画を参考に、ぜひ貴方も自身の旅の妄想を膨らませて欲しい。

メイン州でロブスター祭り旅
旬の海鮮刺繍パンツを求めて目指すは春のメイン州
歳のせいだろうか。ちょいと懐があったかいと町のお寿司屋さんでひとり握りをつまみにぬる燗で一杯やるのが楽しみとなった。
どれどれ。本日のおすすめはと。“かつお、春子、スミイカ印籠詰め、煮はまぐり……”
春らしい旬の江戸前寿司ネタがズラリと並んでウキウキ♬
食べ物から季節の移り変わりを感じとるっていいもんだね。
季節を楽しむのは何も食べ物だけじゃないよ。秋冬のカモやキジもいいけど、春から夏に向けてクジラやカニ、ロブスターも大好き。いや、これエンブロイダリーパンツに入るモチーフの刺繍の話。「江戸っ子だってね~?」
「いや、ニューイングランド地方の生まれよ」
ニューイングランドと呼ばれるアメリカ北東部の地域。かつて世界有数の捕鯨港であったマサチューセッツ州ナンタケット島の名物は、クジラをモチーフにしたナンタケットレッドのエンブロイダリーパンツだし、全米一のロブスターの捕獲量を誇るメイン州は、ロブスター料理からエンブロイダリーもんの土産まで州をあげてロブスター祭り!

そんなポップな海鮮もんのエンブロイダリーパンツに目を付けたのが、ニューイングランドの名門校に通うプレッピーのコンサバお坊っちゃん達。今や海鮮刺繍はプレッピーのアイコンみたいなもんというワケです。
日本では派手すぎるのかいまいち火が付かないけど、この刺繍をちりばめたパンツを履いただけで本場アメリカのコンサバ男子になったようでアゲアゲになるのはボクだけでしょうか?
あ~、マサチューセッツ州ボストンを出発地にクルマでメイン州へと北上するエンブロイダリーもん蒐集の旅をした~い!
あ、そうそう。メイン州といえば忘れてはならないのがL.L.ビーン。高校生の時に雑誌『メイドインU.S.Aカタログ2』で初めて知ったL.L.ビーンの本店。アウトドアーズマンのために365日休まず24時間営業のアウトドアの殿堂。いつか訪れてみたいと何度夢に出てきたことか……。ビーンのあるフリーポートまでは、ボストンからクルマで約2時間。ちょうどいいドライブコースだね。
日本でL.L.ビーンといえば衣料が中心だけど、“ビーンキャンパス”と呼ばれる広大な敷地を有する本店では、狩猟や釣り、キャンプなど、日本では扱わない本格アウトドア用品がいっぱい。ちょっと荷物になるけど、バゲージ重量制限ギリギリまで買い物しちゃいそう。コンサバ男子の春の旬の旅はメイン州に限る。

[MEN’S EX Spring 2022の記事を再構成]