コンチェットの“タイロッケンコート”
大人の風を纏えるのはこのコートの他になし
春にも使えるコートを探していたところ、大人が着てこそサマになる逸品を見つけたのでご紹介したい。
それは、コンチェットのタイロッケンコートだ。まだ新しいブランドだけに、名前を知らない人も多いだろう。このブランドは、某英国ブランドのデザインチームを牽引してきた、佐久間英裕氏が企画。型紙や詳細な工程が引き継がれにくい服飾業界の中でも、第一線で走り続けてきた彼の経験と知識があってこそできる一級品だ。
クラシック回帰の流れで再燃する「タイロッケンコート」。ゆるく軽やかな印象の類似品は多くあるが、本作は全くの別物だ。誰もがわかるブランドアイコンや裏地は一切使用せずに、1960年代のディテールを忠実に再現。時代に左右されない“一生コート”に相応しい風合いだ。経糸にウーステッドウール、緯糸にコットンを使いハリコシが独特で、着用したときの落ち感も実に良い。
さらに、経糸と緯糸の染色を変えることで、揺れ動いた時に艶やかさが増すのだ。最先端の情報が一気に通り過ぎる現代に、古くからのロマンとこだわり抜かれたコートを纏う喜びは読者諸兄ならおわかりなはずだ。