スーツ大賞2021 2大ディレクター&M.E.が選定
【クラシック スーツ大賞】Classic Suits Award
“国際性が光る古豪三傑”
―――太田さん
ISAIA
イザイアの「グレゴリー」
15年以上のロングセラーを誇る「グレゴリー」。柔らかなナポリ仕立てをベースとしつつ、肩にはパッドを入れて風格を高めている。生地は糸段階から撥水加工を施し、ナチュラルストレッチ性ももたせた「アクアスパイダー」。33万円(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン)
BELVEST
ベルヴェストの「A305」
品行方正なクラシックさが魅力の「A305」モデル。オリジナルの芯地を使用した仕立ては、柔らかさと立体感を見事に両立している。クリーンで精緻な仕立てだが堅苦しさとは無縁。“美しい服”というブランド名を体現する王道の佇まいだ。32万4500円(伊勢丹新宿店)
PAUL STUART
ポール・スチュアートの「ベイカー」
ウールを高密度に打ち込んで光沢感と重厚感を生み出した、カシミア織りと呼ばれるタキシードクロスを採用。ピークトラペルともあいまってフォーマル感を感じさせるが、日常のビジネス使いもできる汎用性に優れた一着だ。13万2000円(ポール・スチュアート 青山本店)
前回に続いてクラシックスーツ大賞のスーツをご紹介。
平澤 続いてクラシコイタリア全盛期からの名門イザイアとベルヴェスト。
太田 イザイアはナポリを本拠としていますが、いわゆるナポリスーツとは一線を画していますね。アメリカなどのマーケットも意識した、インターナショナルな打ち出しです。
中村 ベルヴェストも同様ですね。インターナショナルなエグゼクティブが好むスーツという感じです。両者で違うのは、イザイアが独特の色気を感じさせるのに対して、ベルヴェストは控えめな気品を漂わせているところでしょうか。
平澤 それでは、お国が変わってポール・スチュアート。こちらも老舗ですが、鴨志田さんがディレクターになってイメージが変わりました。
中村 この四角いポケットが米国的な印象ですね。鴨志田さん的にアメリカン・クラシックを解釈して、現代のスーツとして表現しているのでしょう。そのあたりの背景を理解して着ると、より楽しめそうですね。
Profile
[中央左]ビームス クリエイティブディレクター
中村 達也さん
これまでのMEN’S EXのスーツ特集の座談会には最多登場となるスーツのご意見番的存在、ビームス クリエイティブディレクターの中村達也さん。
[中央右]ソブリン ブランドディレクター
太田 裕康さん
ソブリンのブランドディレクターである太田裕康さんは、2021年秋にブランドを一大リニューアルし、大人のクラシックスタイルを牽引。オリジナルスーツ開発にも力を注ぐ。
[右]ファッションエディター
小曽根 広光
MEN’S EX時代にもスーツ特集を数多く担当、ビスポークスーツにも造詣が深いファッションエディター小曽根。
[左]MEN’S EX編集長
平澤香苗
編集長の平澤は、イタリア出張時にビームス中村さんとスーツファクトリーを多数訪問。自身でもイタリアンブランドのオーダースーツを愛用する。
[MEN’S EX Winter 2022の記事を再構成]
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