【SUIT OF THE YEAR 2021】DOYA代表取締役社長 銅冶 勇人氏インタビュー

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笑顔とパッションでアフリカに光をもたらす

SUITS OF THE YEAR 2021 イノベーション部門受賞 銅冶 勇人さん ロゴ

DOYA 代表取締役社長
銅冶 勇人

アフリカの貧困問題を解決したい一心でNPOを立ち上げ、さらには現地の教育・雇用・健康に還元するアパレル会社も設立。そんな社会貢献性の高い持続可能な循環型ビジネスを創出した銅冶勇人さんに本賞を授与する。

SUITS OF THE YEAR 2021 イノベーション部門受賞 銅冶 勇人さん

銅冶 勇人(どうや・ゆうと) Yuto DOYA


【profile】
1985年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。2008年ゴールドマン・サックス(GS)入社。’10年にNPO法人Doooooooo創立。GS退社後、’15年に株式会社DOYAを創立し、同年9月よりアパレルブランド「CLOUDY」をスタート。



“好きになってもらえることがこの活動を大きくする”

東京・渋谷の商業施設「ミヤシタパーク」。ハイブランドを含む個性豊かなお店が並ぶ中、銅冶さんが運営する「CLOUDY」のカラフルさはひときわ目を惹く。アフリカの民族柄や伝統ファブリックを用いた服と雑貨はどれもスタイリッシュ。実際、感度の高い人の間で人気が高く、全国の百貨店やセレクトショップバイヤーから引き合いも多い。

商品はガーナやケニアの自社工場で作られる。そこで働くのはシングルマザーや障害者たちを中心に535名ほど(2021年3月現在)。アイテムの売り上げの一部は銅冶さん運営のNPOを通じて給食支援や学校建設などに還元されている。つまりアフリカの雇用・教育・健康を支援する循環型のアパレルビジネスを創出したのだ。

「NPOとアパレルが一体化しているのはなかなかない仕組みだと思いますが、だからってそのことを声高に訴えることはしたくない。店内にNPO活動を匂わせるアフリカの写真が一切ないのもそのためです。純粋に商品の魅力から皆さんにアプローチしたい。そうでなければこの活動は継続しません」

アフリカの貧困問題に関心を抱くようになったのは、大学の卒業旅行でケニアのスラムを訪れたことがきっかけ。何とかしたいという気持ちは新卒でゴールドマン・サックスに入社しても失せず、証券マンとして働く傍ら、NPOを立ち上げた。

「ゴールドマン・サックスで揉まれたことは社会人としての僕のバックボーン。猛烈なスピード感の中で多くを学びました」

仕事時に身だしなみに気を遣うのも当時叩き込まれた習慣だ。

「営業として憧れられる、信頼される存在になれ。気を遣って身なりを整え、しっかり自分自身をプレゼンできるようにと、上司から言われていました。また社会人になってすぐ、アメフト部のOBの、おじいちゃんのような大先輩から“必要だろうから”とスーツを贈っていただいたんです。ある日呼び出されたら仕立て職人がいて、それが初めてのオーダースーツ。でも、デザインやシルエットは全部その先輩の指示で、仕上がりは正直古い感じの、自分好みじゃなかった(笑)。でも、そのスーツを見るとその先輩を思い出し、奮起する。誰かを思い出せるスーツっていいじゃないですか」

服装が自由なアパレル業界にいる今も、週2ペースで、商談時にはスーツを着用している。

「スーツは自分にとってアドレナリンを出してくれるアイテム。今でも一番の勝負服です」

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