『MEN’S EX』と『NIKKEI STYLE Men’s FASHION』が共催する「SUITS OF THE YEAR 2021」。今年で4回目を迎える当アワードは、その年に各界で最も輝いた人を表彰するとともに、スーツを纏うことの意義や価値、愉しさを改めて伝えることを目的としている。
アワード連動企画として、ここでは今のスーツ文化を象徴するブランドやショップから、今季の要注目モデルをご紹介。併せてその魅力や着こなしのワンポイントアドバイスを、SUITS OF THE YEARのアドバイザーを務めるファッションディレクターの森岡弘氏に解説していただいた。
第2弾の今回は日本橋三越本店からセレクトした一着。ヴィターレ・バルベリス・カノニコの生地を用いたタイ ユア タイの新作スーツだ。
最高の生地と仕立てで愉しむベージュスーツの粋
日本橋三越本店から選んだのは「タイ ユア タイ」のメイド・トゥ・メジャースーツ。柔らかな仕立てと淡いベージュが相まって、とてもエレガントな趣がある。この生地はイタリアの名門「ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)」の「ボウ・ソレイユ」という新作だ。使用する素材は21マイクロンウール。太い繊維でありながらしなやかさも併せ持つVBCでしか調達できない特殊な原毛で、最高に仕立て映えすると服飾業界で絶賛される素材だ。
「経緯で糸色を変え、表にベージュ裏にオレンジが出る、いわゆるソラーロ調の色味で織り上げているのが面白いですね。ソラーロは夏のイメージがありますが、これは目付け370gですから秋冬にもぴったりです。秋冬は街にダーク系のスーツが増えますから、こういう明るいベージュを纏うと、とても垢抜けて見えると思います。Vゾーンコーディネートはコントラストをつけるよりも、ベージュにトーンを揃えた色合わせを推奨。全身を優しい茶系でまとめることでこのスーツのエレガンスさがぐっと際立ちます」(森岡さん)
タイ ユア タイ創始者フランコ・ミヌッチ氏のスタイルから着想した「ジャンフランコ・マリア」というモデル。細腹を取らない2面体の構成で丸みを表現するフィレンツェ伝統のテーラリングスタイルを踏襲しており、広めの肩幅や肩先がナチュラルに落ちるパターンが特徴だ。全体的に柔らかなシルエットを、VBCの新作生地「ボウ・ソレイユ」のソラーロカラーが一層優美に見せている。
ヴィターレ・バルベリス・カノニコ
https://vitalebarberiscanonico.jp/
撮影=島本一男(STUDIO BAARL) スタイリング=森岡 弘(GLOVE) ヘアメイク=古口精樹 文=吉田 巌(十万馬力)
※表⽰価格は税込み
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