’80年代のロンドンの想い出「ウェスタウェイ&ウェスタウェイ」のカシミアマフラー

bool(false)
Facebook
Twitter
友だち追加
WESTAWAY&WESTAWAYのカシミアマフラー

ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さんが所有する貴重なお宝服の中から、ウンチク満載なアイテムを紹介する人気連載「中村アーカイブ」の秋冬バージョンをご紹介。「ベーシックな服もアップデートされていくので、何十年も着続けられる服は意外と少ない」という中村さんだが、自身のファッション史の中で思い出深く、捨てられずに保管してあるアイテムも結構あるのだとか。そんなお宝服の第30弾は……?

中村アーカイブ細バナー

【中村アーカイブ】 vol.30 / ウェスタウェイ&ウェスタウェイのカシミアマフラー

WESTAWAY&WESTAWAYのカシミアマフラー

’80年代の後半頃に購入。’80年代はスコットランド製のカシミアやカシミア混の定番マフラーが人気で、毎シーズン入荷すると早い時期に完売するほどでした。

当初は日本のインポーターから仕入れていたのですが、ある時ロンドンオフィスのスタッフからロンドンで一番カシミアが安い店があり、その店からカシミアマフラーを仕入れた方が日本のインポーターより安く仕入れられるという話があり取引を始めたのがWESTAWAY&WESTAWAY(ウェスタウェイ アンド ウェスタウェイ)でした。

WESTAWAY&WESTAWAYはロンドンの大英博物館の向かいにあった英国製のニットや洋服、生地などを扱う店でした。当時大英博物館のまわりはそのような製品を扱う店やタータンチェック専門店などスーベニアショップのような店もたくさんあり、観光客も多くたいへん賑わっていました。

’89年に初めて出張で英国を訪れたとき、バイイングで初めてWESTAWAY&WESTAWAYを訪れ、店内にあるフェアアイルのニットやシェットランドやカシミアのニット、マフラー、タータンチェックのキルトスカートなど、英国のクラシックなアイテムが大量かつ無造作に陳列されているのを見て、こんな店もあるんだなと感心したのを今も覚えています。

この店は英国の小さなサプライヤーから大量に仕入れ、大英博物館の前という観光客が多く訪れる立地で大量に販売することによってロンドンで一番安い価格を実現していました。このマフラーもこのショップから仕入れることによって日本のインポーターから仕入れるものよりも10%程度安い値段で販売することができ、お客様にも大変喜んでいただいたことを覚えています。

マフラー以外にもウールのタータンチェックのネクタイを当時バイイングしていて、顧客様やスタッフにも大変人気があったので、毎回出張に行くたびに悩みながらタータンチェックを選んでいたのも今では楽しい思い出です。

’90年代中頃になるとサプライヤーとダイレクトな繋がりもでき、イタリアの製品が注目され始めたのも重なりWESTAWAY&WESTAWAYとの取引もなくなりましたが、私にとっては初めてロンドンに行った時にロンドンらしさを強く感じた店のひとつでもあるので、今でも強く印象に残る店です。

昨年久しぶりに大英博物館の近くまで行く機会があったので二十数年ぶりに現地を訪れてみましたが、WESTAWAY&WESTAWAYだけでなく、当時あったタータンショップのような英国製品のスーベニア的な店も全て無くなっていました。

ロンドンの街が近代化していき、伝統を感じさせる店も少なくなってきているのはとても残念ですが、このマフラーを見るたびに英国のクラシックが元気だった当時の光景が目に浮かびます。

特別なウンチクがあるわけでもない定番のマフラーですが、私にとっては当時のロンドンを思い起こさせる大切なアーカイブです。

今日は何する?何着る?

365DAYS今日のVゾーン

2021

Autumn VOL.327

  1. 1
2
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop