窓の外に広がる、日本の金融街、大手町のビル群の灯。心地の良い音楽を聴きながら、高い天井に広いテーブル、ゆったりとしたソファに身を沈めて、ピカピカのオープンキッチンと、キビキビと働く若いスタッフたちを眺めていると、まるでニューヨークの「アッパー」なダイニングにいるような気分になってくる。「才能さえあれば、トップに上り詰められる」そんな夢と野望を抱いた無数の若者たちがひしめき合う、ニューヨークの高揚感の匂いがする。
なんとも「アガる」店だ。
「アガる、上流階級の、上の方の」——11月5日に開業したばかり丸の内テラス、その最上階、9階と10階を丸々使ったレストラン「The UPPER」には、そんな意味が込められている。
「旅と自然」をテーマにした220席、9階は「静寂」をコンセプトにコース料理を楽しむエリア、10階は開放的なテラスもあり、グラスを片手にアラカルトをワイワイ楽しむ「活気」のエリアになっている。(来春まではソフトオープンのため、9階は個室・半個室のみを使用し、両フロア共に昼はビジネス街ならではのワンプレートメニュー、夜はコース1本の共通メニューの提供)どんな味なのか、香りなのか。見て驚き、好奇心をくすぐられ、驚きがワクワクに変わる、そんな料理を提供するのだという。
経営に携わる、全国でカフェなどの飲食店約100店を経営するトランジットジェネラルオフィスにとっては、初のファインダイニングの旗艦店。料理には、大阪のミシュラン二つ星でアジアのベストレストラン50で10位のフレンチ「La Cime(ラ シーム)」の高田裕介シェフをパートナーとして迎え、様々なメニューを提供する。ちなみに、件の音楽は、トランジットジェネラルオフィスと高田シェフをつなげた立役者、FPMの田中知之氏の「ボーダレス」をテーマにしたセレクトだ。
真新しい厨房を率いるシェフは、お台場のホテル日航東京を経てINTERSECT BY LEXUSのシェフを務めた、徳島 亨氏、36歳。ゆくゆくは同グループ内の他の飲食店の監修も担っていく予定だ。その徳島シェフがメニューを作り、パートナーシェフである高田氏がキュレーションしていく形だ。
来春までは、夜は8800円(税込)のコース1本のみ、その内容とは……?