今だからこそ大事にしたい、勝負の日のスーツスタイル【Vol.3/ポール・スミス コレクション編】
ビジネススタイルのカジュアル化に加え、このコロナ禍により、最近スーツを着る機会が減ったという人もいるだろう。しかし男の装いを美しく見せたいのなら、スーツに勝るものはない。これからの時代のスーツはオン・オフとも、ここぞという場面で着用する“勝負服”としての役割をますます担ってくるとMEN’S EXは考える。
この連載では、スタイリスト・森岡弘さんと、本誌でもお馴染みの俳優・前川泰之さんが、人気ブランド及びショップの新作をお題に、“勝負の日”に相応しいスタイルを考察。第3弾の今回は、ポール・スミスの中でもより成熟した大人の男性に向けたコレクションである、「ポール・スミス コレクション」のパターンオーダースーツをご紹介しよう。
スーツの愉しみ広がる
ヒネリの利いたクラシック
前川ラペルや袖口のデザインが特徴的。ミディアムグレーに淡いピンクのウインドウペーンを配した生地も個性的だな。
森岡ポール・スミスらしい遊び心を感じさせますよね。ちなみにこの生地は名門スキャバルが英国ハダースフィールドの自社工場で織り上げたものです。一見ファンシーな柄ゆきですが、しっかりハリコシがあり、仕立て映えする上質生地です。
前川いずれにしろ、一目で普通のスーツとの違いがわかる一着ですね。いかにも只者じゃない感じがするというか。
森岡デザイナーものを楽しむというのは結局こういうことだと思うんです。もっともパターンオーダーなので生地やデザイン、ディテールは好みにできますが、ボクとしてはこのままで前川さんに着て欲しい。若い人が着たら派手に見えるかもしれませんが、ある程度年齢の方が着用すると大人の色気や茶目っ気みたいものも醸し出せていいのでは。
前川普段の仕事に着用するのは難しい人でも、ライブハウスにジャズを聴きにいくときとか、ちょっとした仲間内のパーティに参加するときとか、こういう一着があれば確かにお洒落かもしれませんね。
森岡日本ではスーツをオンでのものとしか考えていない人が多いのですが、僕はウィークエンドスーツという考えもありだと考えます。実際に欧米に行くとお休みの日にそういう風にスーツのお洒落を楽しんでいる人をよく見かけます。
前川今回はタイドアップで着ましたが、インをカットソーやニットにしても大丈夫ですか?
森岡もちろんそういうドレスダウンもOK。スーツの愉しみを広げるという意味でも、ポール・スミス コレクションでオーダーに挑戦してみてもいいのではないでしょうか。
ゴージ位置の低い幅広なピークトラペルやフィッシュテールカフス、重なったチェンジポケットなど、ポール・スミスらしい遊び心を感じさせるデザインスーツ。見た目は個性的だが、作りはテーラードの伝統に則っており、約300工程にも及ぶ手間暇をかけて仕立てられる。ネックに重心がかかる設計や日本人体型を意識した前肩縫製により、着心地も極上だ。
お問い合わせ先
ポール・スミス リミテッド
TEL:03-3478-5600
https://www.paulsmith.co.jp/shop
※表示価格は税抜き
撮影=池田佳史(BOIL) スタイリング=森岡 弘 ヘアメイク=古口精樹 文=吉田 巌(十万馬力)