洒落者だからこそ“かっちり着ない”スーツも楽しめる
カジュアルに着るならジャケットのほうに分があると思われがちだが、最近は肩の力を抜いた着こなしが似合うスーツも増えている。周囲に差をつけるなら、今季は上下揃いのお洒落を積極的に楽しむべきだ。
仕事着という考えがベースにあるからか、スーツはかっちり着るものという固定観念に囚われている人は多い。クラシック好きならそれでいいが、もし今らしさを求めるなら時には肩の力を抜いてみたい。というのも近年流行のスポーティなセットアップなどとは別に、テーラードの名門からも自由に着こなせるスーツが続々登場しているからだ。
写真のカルーゾはその好例。ジャケットはダブル、パンツは深いプリーツ入りとクラシックだが、軽くて柔らかな仕立てとゆとりあるシルエットにより、寛いだ合わせが実にサマになる。上下揃いだからこそ、ジャケパンよりぐっと新鮮で洒落て見えるのもポイント。今季はゆるりとスーツを楽しもう。
今らしい寛ぎ感を奏でる4つボタンのダブル
CARUSO / カルーゾ
今どき感あるクラシックスーツの名手カルーゾ。こちらはその中でも最も軽い着心地を追求した「バタフライ」のダブルスーツだ。一見端正な趣ながら各部に程よいゆとりを確保。低いゴージ位置や深めのV、4つボタン下1つ掛けのデザインも寛いだムードを演出。旬のオリーブ色の生地はウールに伸縮素材を混紡。15万円(トゥモローランド)
ダブルブレステッドの“ゆとり”を楽しむ
ニットとの合わせが決まるモダンな8つボタンデザイン
THE GIGI / ザ・ジジ
デザイナー、ピエルイジ・ボリオリ(通称ジジ)の尖った感性が味わえる8つボタンの定番ダブルジャケット「ジギー」と、1プリーツパンツのセットアップ。胸元が詰まり合わせも狭いので、前を開けた無造作な着こなしもスマートに決まる。ミリタリーサージのような生地は上質なポリエステル100%。ジャケット7万9000円、パンツ2万9000円(以上アマン)
クラシックな男らしさと今らしい寛ぎ感を巧みに両立
BARENA / バレナ
ワイドラペルやヘリンボーン柄はクラシックだが、さらっとした軽い作りとゆとりを確保した美シルエットにより纏うとモダンな色気が漂う。柔らかなウール混の風合い、そしてドローコード&尻パッチポケット仕様というややカジュアルなパンツデザインも今らしい寛ぎ感に貢献。ジャケット8万9000円、パンツ3万6000円(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年10月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)