無地よりお洒落、チェックより簡単
強く装う日のストライプの選択肢
王道=無地と思いがちだが、実はストライプ柄こそ、最も汎用性の高いスーツだ。とりわけ力強さを演出したいなら、これ以上頼れる一着はないといえるだろう。
精悍さや凛々しさといった“強い”印象を築くうえで、最も使えるのがストライプ柄だ。シャープな縦縞が力強さを醸し出すのはいわずもがなだが、実はコーディネートの幅広さも利点。パワフルさを表現するにはVゾーンによる演出も欠かせないが、無地スーツに柄タイを合わせると胸元だけが浮いて見えたり、極端にストイックな印象になりやすい。かといってチェック柄ではゴチャつきがち。実はストライプこそ、最も幅広くタイを合わせられる柄なのだ。さらに様々な印象を与えられ、結果、洒落心も表現しやすい。ストライプを知らずして、スーツは語れないのだ。
Heritage STRIPE
趣味性を表すなら[ヘリテージストライプ]
昨今、ネイビー、グレーに続く第三の定番色として認知されつつあるブラウンスーツ。洒脱な小粋さが魅力だが、そんな茶スーツなら「ヘリテージストライプ」を選んで、より趣味性を表現してみるのも手。’30年代を思わせるワイドピッチのストライプがポイントだ。
Flannel chalk STRIPE
包容力ある強さを装う[フラノチョークストライプ]
エグゼクティブが着てこそ映える大人の余裕
スタイルアイコン御用達のフラノチョークストライプスーツは、男らしい包容力を感じさせる佇まいが最大の魅力だ。クラシックスポーツ由来のフラノ素材が醸し出す寛ぎ感と、うっすらと滲んだようなストライプによる柔和さが一体となって、大人の余裕を表すのがポイント。成熟したエグゼクティブが着てこそ映える柄といえるだろう。
合わせるタイは…
[個性豊かに華やぐプリントタイ]
紡毛生地によるボリューム感が特徴のフラノチョークストライプは軽やかなプリントタイで重さを中和するのが今日流。
Pencil STRIPE
理知的な強さを見せる[ペンシルストライプ]
凛とした端正さと溌剌とした活力を印象づける
ブリティッシュの基本でもあり、ビジネススーツの王道でもあるペンシルストライプ。線が細く、しかしキリリと立った縞は、理知的で鋭敏な印象を最大限に引き立ててくれる。なかでもこのようなダークネイビーベースのものは、凛々しく溌剌とした表情だ。非常にベーシックな柄なので、Vゾーンでいかにスパイスを効かせられるかが装いの鍵となる。
合わせるタイは…
[ハリが出るジャカードタイ]
プリントより量感のあるジャカード生地のタイを選ぶとスーツの端正さがより際立つ。古き良き正当派ブリティッシュが今、再び気分だ。
Alternate STRIPE
柔軟性ある強さを効かせる[オルタネートストライプ]
クリエイティビティを感じさせる趣味のよい遊び心
2種類の縞を交互に配したオルタネートストライプ。柄行きが複雑になる分、ファッション性が色濃く表れたスーツとなる。クリエイティビティを表現する一着として最適な選択だ。配色によっては艶っぽく見えるが、こちらのようなヴィンテージ調のオルタネート縞ならむしろ渋さが際立つ。懐古的に見えないよう、軽い仕立てのものを選ぶのが正解だ。
合わせるタイは…
[スマートに馴染むソリッドタイ]
スーツの柄を引き立てるためあえて無地タイをチョイス。一見シンプルに見えて、よく見ると奥行きのある装いに。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年10月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)