
精悍にして知的、伝統を重んじる男を表現できる時計
各ブランドの歴史が息づくブレスレット・クロノグラフ
スポーティで精悍なブレスレットウォッチの中でも、クロノグラフは精密な機構で着ける人をアクティブに見せる。さらに各ブランドの歴史が外観に託されたモデルなら、伝統の重みを知る知的な大人の雰囲気を醸し出してくれる。
BREITLING / ブライトリング
[クロノマット B01 42]

1984年に原点回帰し、フルリニューアル
フラッグシップモデルが、一新。ライダータブをネジ留めしたベゼルや筒状のリンクを連ねたルーローブレスレットなど、1984年に誕生した初代クロノマットの姿になぞらえた。ヴィンテージな外観に、高性能な自社製Cal.01を搭載。防水性能も200mとタフ。自動巻き。径42mm。SSケース&ブレスレット。89万円(ブライトリング・ジャパン)
IWC / アイ・ダブリュー・シー
[パイロット・ウォッチ・クロノグラフ]

80年の伝統を受け継ぐ航空時計の雄
黒ダイヤルにクッキリと浮かぶ針とインデックスの形状は、1940年にドイツ空軍に納品されたパイロット・ウォッチからの継承。操縦中でも見やすい優れた視認性は、クロノグラフでも健在である。ミリタリーを出自とする外観は武骨で男らしいが、ブレスレットは5連とエレガント。軟鉄製インナーケースで、高い耐磁性を得ている。自動巻き。径43mm。SSケース&ブレスレット。75万円(IWC)
HAMILTON / ハミルトン
[アメリカン クラシック スピリット オブ リバティ オートクロノ]

大海原を渡るチャレンジ精神を継ぐ
縦2つ目のクロノグラフのダイヤルデザインは、かつて製作していたマリンクロノメーターからインスピレーションを得ている。ムーブメントには、60時間駆動のCal.H-21を採用。5連ブレスレットの仕上げも上々で、コスパは極めて高い。自動巻き。径42mm。SSケース&ブレスレット。19万6000円(ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン)
MONTBLANC / モンブラン
[モンブラン 1858 モノプッシャー クロノグラフ]

機構も意匠も古典を極めるモノプッシャークロノ
外周にベージュのトラックを置くダイヤルは、傘下に置くミネルバ社が1930年代に製作したモデルからの引用。針とインデックスに軍用時計の面影を残す2つ目は、見るからにクラシカルである。リューズ同軸の1つのボタンで操作するクロノグラフ機構は、マニア好み。自動巻き。径42mm。SSケース&ブレスレット。56万8000円(モンブラン コンタクトセンター)
OMEGA / オメガ
[スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール]

真のムーンウォッチが現代に蘇る
NASAのアポロ計画で月面に降り立ったスピードマスターが搭載していたCal.321が昨年、復活。手巻きクロノグラフの名機が、待望のSSケースに搭載された。その外観は、アポロ計画で使われた第3世代を規範とし、ダイヤル12時位置のロゴも旧タイプを使用する。一方、ベゼルは現代的なセラミックで耐傷性を高めた。自動巻き。径39.7mm。SSケース&ブレスレット。151万円(オメガお客様センター)
TISSOT / ティソ
[ヘリテージ 1948]

優雅な気品をまとった名作クロノグラフを復刻
大型のラグが、優美なカーブを描く。リーフ型の針や12のローマ数字を置くダイヤルに気品が漂う。インダイヤルをワントーンに仕立てたことでより上品な印象となった。クラシカルエレガンスな外観は、1948年製モデルが規範。メッシュブレスも、お洒落だ。自動巻き。径39.5mm。SSケース&ブレスレット。16万9000円(ティソ)
SINN / ジン
[103.B.SA.AUTO]

視認性とタフさとを追求したドイツ式パイロット・クロノ
1960年代にドイツ空軍に制式採用された155がルーツのパイロット・クロノグラフ。黒い両方向回転ベゼルやインデックスのデザインなど、ディテールの多くを受け継ぐ。同時に時計内部を湿気から守る、独自の除湿機構Arドライテクノロジーの採用で、よりタフに。自動巻き。径41mm。SSケース&ブレスレット。41万円(ホッタ)
TUDOR / チューダー
[ヘリテージ クロノ グレー&ブラック]

レーシィな雰囲気を湛える1970年代スタイル
五角形のインデックスから、愛称はホームベース。さらにインダイヤルを台形で囲むなど、個性的なダイヤルを1970年に誕生したブランド初のクロノグラフから受け継ぐ。12時間回転ベゼルは、同年製作されたプロトタイプから引用。9時位置は珍しい45分積算計。グレーのダイヤルにオレンジのクロノ秒針が映える。自動巻き。径42mm。SSケース&ブレスレット。44万6000円(日本ロレックス/チューダー)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)