ファッションのプロが語る、どうしてスーツにはグランドセイコーがこうも合うのか

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グランドセイコー

審美眼に優れた人から支持されるグランドセイコー。その中でも径38mmモデルこそ正統派のドレススタイルに最適というのが本誌の主張。果たして賢者の意見は?

GSの普遍的デザインの祖
グランドセイコー「44GS」

グランドセイコー「44GS」

お2人が賞賛する、GSの日本的美意識を持った、普遍的デザインを確立したモデル、といわれる「44GS」。その登場は1967年、いかに当時からその顔が完成されていたかよくわかる。ドレスマインドを持つ者として、是非覚えておきたい伝説のモデルである。〈参考商品〉




    話したのはこの2人



    盛岡さん森岡 弘さん(ファッションディレクター)
    政財界人のパーソナルスタイリングも多数手掛ける、弊誌のご意見番。GSには日本人の美意識が宿っている、と絶賛。



    鏡さん鏡 陽介さん(日本橋三越本店 紳士パーソナライズ バイヤー)
    生地やテーラリングへの造詣が深く、本誌にも多く登場頂いている。GSは、小ぶりなヴィンテージのものを愛用。



スーツと時計に慣れ親しむ
賢者に訊く「GS38mm(ジーエスサンパチ)」が正攻法たる理由

GSは好印象な装いを完成させる最後のピース

MEN'S EX M.E. お二方はグランドセイコーにどんな印象をお持ちですか?


鏡さん  シンプルでベーシックなデザインが多く、クラシックなドレススタイルと好相性な、時代を超えて愛することができる普遍的な時計というイメージですね。


森岡さん 森岡 一言で言えば間違いのない時計。日本的な美意識を貫いているというか、これ見よがしなところがどこにもなく、装いにスッと馴染むのもいいですね。つけている人の印象を絶対傷つけないという信頼感があります。


 

鏡さん  スイスにも似たようなテイストの素晴らしい時計が多くありますが、GSほど誠実とか実直というイメージを着用者に与えるものはないかもしれませんね。


森岡さん 森岡 同感です。アンダーステイトメントなスタイルを完成させる最後のピースとして最高。私が政財界の方々のパーソナルスタイリングをするときも、時計に関しては3針のシンプルなGSをお勧めすることが多いです。


MEN'S EX M.E. 最近では海外でもGS人気が高いようですが。


森岡さん 森岡 最近のGSは、性能面はもちろん、外装面の進化が著しいことも大きいでしょうね。有名な“セイコースタイル”と呼ばれるデザインをはじめ伝統のスタイルを守りつつ、文字盤やケースの仕上げは凄まじく高品質になっている。シンプルだけれど、誰が見ても“いい時計”と感じるある種のステイタス性を獲得しています。


鏡さん  じつは昔から海外のディープな時計好きはGSを高く評価していたようで、私が懇意にしている海外の服飾業界人にも2名ほど熱狂的なGSコレクターがいます。彼らは歴史についてもとても詳しくて、私が他ブランドの時計をしていたら「日本人ならGSをつけろ」と説教されたことも(笑)。


“GS38mm”の良さは成熟した男なら必ずわかる

MEN'S EX M.E. 現在GSは多彩なコレクションを展開し、サイズバリエも豊富ですが、編集部としては最近の小径時計のブームにも沿う、径38mmモデルが最も狙い目と推しています。スーツと馴染みがよく、GSの研ぎ澄まされた美しさも一番堪能できるんじゃないかと。


森岡さん 森岡 賛成です。ボクはGSのようなドレス感ある時計に大きさや厚みを求めること自体が間違っていると考えます。袖口から見え隠れするサイズ感がエレガントであり、大人の袖口演出として適切。


鏡さん  径38mmは日本人にベストバランスだと思います。私はさらに小さい径のアンティークのGSを所有していますが、あそこまでいくと趣味性が高くなってしまいます。ビジネスで着用するなら38mmがちょうどいい。とくに“初代GSの復刻モデル”は、個人的にとても気になっています。


MEN'S EX M.E. 今特集では“GS38mm”を無地のベーシックなスーツとスタイリングしましたが、他にはどのような装いに合うと思いますか?


 

森岡さん 森岡 小径だと正統ドレス時計といった印象が強まりますから、あまりアクティブな装いには適さないと考える方もいるでしょうが、銀座にお出かけするときのようなドレッシーさのあるカジュアルにとても映えると思います。コーデのハズシではなく、着こなしを格上げするポイントになるでしょう。


鏡さん  意外とシンプルな装いに合わせても素敵ではないでしょうか。たとえばハイゲージのカーディガンとクルーネックのアンサンブルにグレーパンツを合わせて、足元は白のローテクスニーカーの素足履き、といった格好はどうでしょう。


 

森岡さん 森岡 大人の余裕というか、経験値を感じさせるスタイルですよね。


鏡さん  個人的な見解ですが、今も昔もウェルドレッサーと呼ばれる方々は、年を重ねて経験値が高まると必ずベーシックやシンプルに行き着く。そういうマインドにGSはぴったりだと思うんです。逆に言うと、ある程度経験値がないとこの時計の良さに気づかないだろうし、カッコよくつけられない。


森岡さん 森岡 確かに。GSは男の成熟度を図る物差しかもしれませんね。これを“おじいさんの時計”のように感じたとしたら、まだまだ修業が足りませんね(笑)。




※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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