MEN’S EXと自動車評論家が考える
これからのクルマ選びとは?
世界中で様々な生活様式が大きく変わった2020年。自動車業界はSUVが好調なセールスを続け、年末にEVの新作が登場するなど、ここ数年のトレンドが続く。それをうけて今の時代ならではの自動車選びを考えてみた。
王道EクラスワゴンにSUVの要素をプラス
メルセデス・ベンツ E 220 d 4マチック オールテレイン
MERCEDES-BENZ
E 220 d 4MATIC ALL-Terrain
今年は自動車業界にも多くの影響があった。この機会に子どもの送り迎えや通勤、週末の移動などで、クルマを生活に取り入れる人も増えているという。今後、クルマ選びはどうなるのか。モータージャーナリストの岡崎五朗氏に予想してもらった。
「今後、自動車ユーザーは『都市型』と『郊外型』に分かれていくと思っています。テレワークが可能な職種の方は無理に都心部に住む必要性がなくなっていくでしょうし。そうすると両者のクルマ選びもまったく異なってきます」
ではそれぞれどういうクルマ選びになっていくのか。
今後は都市型と郊外型
2つのクルマライフを考えるべき
「まず『都市型』は扱いやすいサイズが中心になるはずです。自動車の世界では5ナンバーサイズと言われる大きさで、全長は4・7m、全幅1・7m、全高2mまでです。この大きさなら都市部であってもどこでも止められます。立体駐車場に止めることも考えるなら全高を1・55m以下にしておけば大丈夫でしょう。移動も近場が多いでしょうからEVやPHEV、ハイブリッドも有効です。ちょうど今年の年末にはホンダやトヨタから小型のEVモデルも登場しますし。小さくて気軽に乗れるクルマが中心になるはずです」
都市型
様々な制約がかかる都市部の場合「小ささ」は絶対条件。できればそこに最新モデルのEV技術などを組み合わせたい。
次に『郊外型』の場合だ。「駐車場や道の制約が減る分、クルマ選びの自由度は一気に広がります。人気のSUVであれば最も大きいサイズの車種。例えばBMWのX5の最新型の全幅は約2mです。郊外でなら素晴らしいパートナーになるはずです。SUVというクルマの本質を考えればやっぱり大きいモデルのほうが魅力的です。もちろん2座のオープンカーみたいな趣味に思いっきり振ってもいいですし、ピックアップトラックなんかもありですよね」
郊外型
駐車場問題や取り回しを気にせずにクルマを選ぶとなると選択肢は無限に広がる。個性が際立ったパートナーを選びたい。
岡崎さんが今後、注目するクルマは以下のとおりだ。
「『郊外型』向けのクルマはもう選択肢はいくらでもあると思います。『都市型』は年末に向けてトヨタ、ホンダ、マツダが小型のEVモデルを投入してきます。都市型ならフィアット 500やi3、郊外で輸入車ならレンジローバーやディスカバリー、日本車ならハイラックスみたいにどっちにしても個性を重視したクルマ選びをしてほしいですね。」
profile
モータージャーナリスト
岡崎 五朗さん
雑誌やテレビなどで広く活躍する本誌お馴染みのモータージャーナリスト。自身のクルマも個性重視で、スポーツモデルを好む傾向にある。現在は911を所有。
[MEN’S EX2020年8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税抜き