手腕、手練、上手、敏腕など、賞賛の意を込めた手や腕に関する成句は多い。手は体の重要な一部であり、手元の主張は時に言葉以上の説得力をもつ。ゆえに自らのキャラクターを表すメッセージとしての意思ある時計選びが重要となるのだ。
手は口ほどにモノを言う
普段は温厚な青年クラーク・ケントが、黒ブチ眼鏡を外してスーツを脱ぎ捨てると、マッチョなヒーローに変身する──誰もが知る『スーパーマン』のストーリー設定において、一般人として暮らすクラーク・ケントの大きなギャップは、魅力の1つ。ここまで極端ではなくとも、温厚さとタフさを併せ持つ大人の男は、多くの人から慕われる。そんな人物像を、この「クロノマット」のジャパン・スペシャル・エディションは映し出す。
これは”プロフェッショナルのための計器”を標榜するブライトリングの、フラッグシップモデルの最新作。優れた耐久性と防水性とをかなえる重厚で頑強なケースはそのままに、エレガントで優しげな印象をも醸し出しているのは、ダイヤルの素材とディテールの操作による。ダイヤルのベースとなるマザー・オブ・パール(MOP)のナチュラルでニュアンス豊かな質感やクラシカルなローマンインデックスが、マッチョなクロノグラフに温和な雰囲気を添えているのである。
相反する2つの印象が融和したことで、写真のようなクルーネックのインナーを合わせたちょっとラフなジャケパンスタイルはもちろん、ネクタイを締めたカッチリしたスーツスタイルにもより合わせやすくなった。むろん休日のカジュアルにも、似合う。スーパーマンは黒ブチ眼鏡でヒーロー像を隠し、タフなクロノマットはMOPダイヤルとローマ数字とで気品をまとう。