M.E. 4月上旬現在、練習場は屋内施設中心に休業中。屋外の練習場やコースの営業は、施設の判断に委ねられています。しかし、緊急事態宣言下でラウンドすることについては、賛否があるようですね。
丸山 海外では個人で練習場やトレーニング施設をもつ選手も多く、タイガー・ウッズも1万坪の自宅敷地内にショートコースをもっていたりします。アメリカに暮らす僕の息子でゴルファーの奨王も、タブレットを使って遠隔トレーニングを受けたりしていますが、そうした環境をすぐに整えることはなかなか難しい。だからこそ僕は、コースに出たり、屋外の打ちっぱなしに行ったりしたら、『コースに出ています!』と胸を張って言いたいと思います。現時点では共に休業要請の対象外なのだから。
M.E. 選手だけでなく、ゴルフ界全体が一丸となってこの困難を乗り切ろうと工夫しているそうですね。
丸山 今、営業しているコースは、安全を確保できるように最大限努力をしていますよ。クラブハウスに出入りする際は検温や除菌を行い、ゴルフ場内の各施設でソーシャル・ディスタンスを保つよう喚起している。僕自身も感染しないように最大限注意しています。ゴルフ関係者のそうした取り組みも、伝えていきたいですね。
M.E. 今、ゴルファーにはどのようなことを伝えたいですか?
丸山 専属のトレーナーに会うこともできなければ、ハードなトレーニングができる器具もない。何をしたらいいか悩んだらまずは基本に立ち返り、自宅でできるトレーニングです。例えば“うさぎ跳び”とかね(笑)。僕が子どもの頃はジムなどなく、自宅で創意工夫をしながら鍛錬するのが当たり前でした。そうした先輩としての知恵やアドバイスは伝えていきたいですね。僕自身は今、自宅のトレーニングルームにあるエアロバイクで、動画配信サービスの連続ドラマをお供に汗を流しています。
M.E. 丸山さんが歴代のオリンピアンと語らう本連載では、今後どのようなことを伝えていきたいですか? 2021年の東京五輪に向けての意気込みと共に、改めてお聞かせください。
丸山 昨年開催のZOZOチャンピオンシップでは海外選手が集結し、大変な盛り上がりを見せました。あの熱狂を東京五輪で再現したい。リオ五輪に続きヘッドコーチの大役を任されて使命感に燃えています。是非、表彰台に日の丸を掲げてゴルフブームが加速するきっかけにしたい。そのためにはオリンピアンと語らいながら、五輪開催に希望がもてるような連載にしたいですね。まずは一刻も早くワクチンが開発されて、ゴルフが楽しめる平穏な日々に戻ることを願ってやみません。
リオ五輪

2019年盛り上がったZOZOチャンピオンシップ

[MEN’S EX 2020年6月号の記事を再構成]
撮影/筒井義昭 スタイリング/松純 文/間中美希子 写真提供/アフロ(日刊スポーツ、AFP、AP、AFLO)