映画『グレート・ビューティー』から学ぶ、イタリアの色彩スタイルとは?

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衣装にお国柄が表れた英・米・仏・伊の名作映画から、我々の“永遠”の範となるスーツ&ジャケットのスタイリングをご紹介。併せて、人気の敏腕スタイリストがそれをより今の日本人向けにアレンジした“最旬”の着こなしを指南する。装いの幅を広げたい紳士は必読!

【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #06
映画から学ぶ“永遠”とスタイリストから学ぶ“最旬”
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』

伊・仏合作による2013年の作品。トニ・セルヴィッロ演じる主人公ジェップは65歳のジャーナリスト兼作家であり、連日の狂騒にふけるセレブリティの有名人だ。そんな彼のもとに初恋相手の訃報が届く。そして彼は虚無感とともにローマの街を彷徨い歩く……。美しくもどこか寂しげなローマの街並みに映えるジェップの鮮やかな装い。そのコントラストが、映画全体を覆う静けさをさらに際立たせていく。

【映画から学ぶ“永遠”】
リゾート感醸し出す「カラージャケット」にホワイトパンツ合わせ

「カラージャケット」にホワイトパンツ合わせ
写真:Collection Christophel/アフロ

その国柄、男性の装いにおいても鮮やかな色彩を学べるイタリア映画。なかでも近年のお手本は、ペコラ銀座のテーラー佐藤氏をはじめ、多くの服飾関係者が推奨する『グレート・ビューティー/追憶のローマ』だ。

劇中主人公のジェップは、2日と同じ服を身につけない洒落者ぶりを披露してくれるのだが、とりわけ目を引くのが、黄色や赤といった発色豊かなジャケット。

そんなカラージャケットに白いパンツを合わせたコントラスト鮮明な着こなしを見ると、ミドル〜シルバーエイジの男が纏う鮮やかな色って、なんて格好いいんだろうと思わずにはいられない。

ただし、これはクラシコな装いが染み付いたイタリア男ゆえ。日本人が今、街で装うにはよりソフトなニュアンスが欲しい。ということで、左頁ではイタリア的色彩の最旬かつ最適な取り入れ方を考えてみたい。

【スタイリストから学ぶ日本的品格の“最旬”】
「カラージャケット」にあえて「色落ちデニム合わせ」を

「カラージャケット」にあえて「色落ちデニム合わせ」を
ジャケット10万4000円/ラルディーニ(ストラスブルゴ) ニット9万6000円/フェデッリ(トレメッツォ) パンツ1万2000円/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン) 時計75万円/ゼニス(LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパンゼニス)靴5万1000円/ポール・スチュアート(ポール・スチュアート GINZATIMELESS 8 店)

もとよりレベルの高いイエローのジャケットを主役に据えた装いは、いかにサラッと着こなせるかが勝敗の鍵。四方さんは「デニム合わせがポイント」と語る。

「白パン合わせは確かにイタリアっぽいんですが、ちょっとクラシコなテイストが強すぎる。その点デニムなら、こなれた感じになる分、誰でも挑戦しやすくなるはずです。ジャケット自体も軽い仕立てがマスト。だからそれに合わせて、デニムもほどよく色落ちした一本を選びました。インナーもシャツより柔らかな印象のクルーニットを合わせるほうが、今の時代感に合っていますね」(四方さん)。

Styling Point

【色落ちデニム】
色鮮やかなジャケットもデニムを合わせることでこなれた雰囲気に。デニムは季節やジャケットの軽さに合わせ、ちょっと色落ちしたものを。

【ビットローファー】
劇中の着こなしのような茶靴合わせはクラシコなイメージが強すぎるので、足元には黒靴を。ビットローファーならよりモダンな雰囲気に。

【クルーニット】
装いにヌケ感を与えるニットのインナー。今なら夏らしいボーダー柄がオススメ。ベージュトーンにすればジャケットの色にも自然に馴染む。

    四方 章敬さんスタイリスト 四方 章敬さん
    1982年生まれ。武内雅英氏に師事した後、独立。本誌をはじめ多くのメンズファッション誌で活躍する実力者だ。控えめでエレガントなスタイリングが信条。


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[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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