今、流行の狩猟(ハンティング)。大人のカッコいいスタイルとは?

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綿谷 寛画伯のコンサバお洒落歳時記

ただ流行を追いかけるだけでなく、1年を通して季節の旬なアイテムや行事の楽しみ方を知っている。そんな男性こそ真に成熟した、紳士といえるだろう。粋な趣味人を目指すため、四季で味わいたいモノ・コトを季題に取りあげた、お洒落の歳時記を画伯が紹介する。

レタードセーター

絵と文・綿谷 寛

2月某日に『ツイードを着てジビエを食べる』という服飾変態の会に参加させていただくことになった。主催者から「画伯のゴリゴリ狩猟コーデが楽しみ」と期待されちゃったからさあ~大変。とりあえず腰にキジやカモのぬいぐるみでも下げて行こうかと(笑)。

今月のお題 ハンティング・ルック

2月4日は立春。暦の上ではもう春だ。では、2月15日は? あまり知られてないけど、実は冬のジビエシーズンの終わり。つまり狩猟期間(11月15日~2月15日まで。北海道は10月1日~1月15日まで)の最終日なんですね。1年のうちで最も寒いと感じる2月。立春なんて耳にしてもピンとこないけど、愛犬と共にキジやカモ猟を楽しんでいた当時はこの日を境に”あ~、もう冬も終わりだなぁ”と実感したものです。

何でも近頃は若い方、それも女性の狩猟免許取得者が増えて、ちょっとした狩猟ブームなのだとか。東カレみたいなOLさんと合コンして、目を付けた女のコに「ご趣味は?」と尋ねて「イノシシ狩りです!」なんて元気に答えが返ってきたらドキッとするけど、そういうギャップはちょっと素敵♡ボクも猟犬を飼うまではまさか自分が狩猟に手を染めるだなんて夢にも思わなかったけど、人犬一体となって初めて獲物を手にしたときの感動は今も忘れないなぁ。

もちろん獲った獲物は自分で捌き、調理して、自然の恵みに感謝して家族でありがたくいただく。犬にも褒美として肉を分け与えてね。むしり取った羽根は袋に詰めて犬の訓練に活用するの。狩猟シーズンは3ヶ月だけれど、残り9ヶ月はほぼ犬とコミュニケーション。いくら射撃の腕前が良くても犬が言うことを聞かなければ何の意味もないからね。逆に良く働く犬で、せっかく犬が追い出した獲物を外してばかりいると、犬もやる気なくして主人を小バカにするの(笑)。生き物を相手にする趣味は本当に難しい。だからこそ獲れたときの喜びはまたひとしおなのだけれど。そんな大切な肉だからやっぱり美味しく食べたい。

キジなら、ボクは腹の中にジャガイモや人参、ハーブなどを詰めて、塩コショウを振りかけてオーブンでローストして食べるのが好き。カモは、スライスした肉を醤油で10分ほど漬けて、鉄鍋に油を引かずネギと共に直接焼く。それを溶き卵につけて食べる。これは「御狩場焼き」といって、その昔皇族や殿様が自分の狩り場で獲ったカモをその場で食べたシンプルな調理法なんだけど、野生のマガモのそれは、これに勝る食べ方は他にない!と思うほど美味しい。

あ~、こんなことを書いてたらまた猟犬を飼って始めたくなっちゃったな~。

泥だらけのバブアーに気分は貴族かラルフ♡

どうです?今からでも遅くはありません。読者諸々の皆さんも狩猟を始めてみませんか?

お洒落な皆さんのことだから、バブアーのコートやフェアアイルのセーター、それにハンターのブーツの1つや2つお持ちでしょう。それを街着として小奇麗に着こなすのもいいですが、野山でリアルに泥だらけになった自分を想像してみてください。傍には従順なイングリッシュセッターやポインターを従えて……。”あ~、オレってラルフローレンのカタログのモデルか王侯貴族にでもなった気分”と、舞い上がること間違いなし。いいんです。どう思おうと周りには誰もいないんですから。ただ1人だと、自撮りするのが大変だけどね(笑)。

ま、とりあえず残り少ないジビエシーズン。バブアーでも羽織ってビストロに出かけて、自然の恵みに舌鼓を打ちながら今後の狩猟計画を立ててみませんか?



[MEN’S EX 2020年3月号の記事を再構成]

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