大人の日常生活は、微妙なピンチの連続です。適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ周囲のストレスを最小限に抑えましょう。
今月のテーマ/忘れていた仕事を部下から強めの口調で催促された
何かとバタバタしている年の瀬のある日、つかつかと近寄ってきた後輩に、強めの口調で尋ねられました。「昨日までにいただけるはずだったA社の資料、まだでしょうか?」
あわわ、完全に忘れていました。午後の打ち合わせで使うと言っていたので、たぶん後輩はけっこう焦っています。怒っていると言ってもいいでしょう。この状況を無難に収めるには、どんな言い訳を繰り出せばいいのか。
「あれ、明日って言ってなかった?」と姑息な言い逃れで守りに入るのは最悪。先輩としての信頼も威厳も、瞬時に失ってしまいます。まして「俺だって忙しいんだよ!」と逆ギレしたら、完全に見切りを付けられるでしょう。
正直に「忘れていた」と言ったら、相手を無駄に刺激してしまいかねません。まずは「ごめんごめんごめん!」ぐらいの勢いで平謝りし、その上で「すぐ用意するから、あと30分待って」と、実行可能な善後策を提示します。「使えない先輩」というマイナスの印象を払拭する上で肝心なのは、資料を渡すときのひと言。「遅くなってごめん」と重ねて謝罪しつつ、さりげなく「言いづらいことを言わせちゃって悪かったね」と言い添えます。
先輩への催促は、それなりに気をつかっただろうし勇気もいったはず。そこをねぎらうことで、「この人はちゃんとわかってくれている」と感激させることができます。結果的に、マヌケなミスを補ってあまりある好印象と高い評価を獲得できる……ことを期待しましょう。
言い訳の極意
相手の気持ちに踏み込んで
ひと味違う謝罪やねぎらいの
言葉をかけておく—。
それもまた言い訳なり。
[MEN’S EX 2020年1・2月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)