ユパ役の尾上松也さん、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』を語る

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歌舞伎俳優の尾上松也さんに、新作歌舞伎と古典歌舞伎について伺いました。

尾上松也

尾上松也 MATSUYA ONOE


profile
1985年生まれ。東京都出身。父は六代目尾上松助。1990年5月、歌舞伎座で『伽羅先代萩』の鶴千代で、二代目尾上松也を名乗り、初舞台。2015年からは次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演、『仮名手本忠臣蔵 五・六段目』早野勘平、『源平布引滝 義賢最期』木曽先生義賢などを勤める。2014年のコクーン歌舞伎『三人吉三』ではお坊吉三役で出演し、好評を博した。歌舞伎以外にもミュージカルの『エリザベート』のルイジ・ルキーニ役や劇団☆新感線の『メタルマクベスdisc2』の主演に起用され、幅広い分野で活躍している。 スーツ17万5000円、 タイ6500円/以上麻布テーラー(以上麻布テーラープレスルーム) シャツ〈スタイリスト私物〉

「新作歌舞伎は一人で考えるのではなく現場でのセッションで生まれます」

ナウシカファンがイメージする「ユパ」像を大切にする

次世代の歌舞伎界を担う一人として、幅広い分野で活躍し、注目されている尾上松也さんが次に挑むのは、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。先輩である尾上菊之助さんが発案し、原作者である宮崎駿監督の同意も得て、この12月に歌舞伎舞台化されることになった。歌舞伎とナウシカのファンから期待されているこの作品で、菊之助さんが演じるナウシカの師である「ユパ」役を配役された。

「2年前くらいに菊之助さんからお声がけいただいたのですが、まさか菊之助さんの師匠の役を演じさせていただくことになるとは思っていませんでした。僕は絵本の『あらしのよるに』が歌舞伎として上演されたときに“めい”というお役を勤めさせていただいたのですが、まずは作品のファンとしてどう見ればいいのかを考えるタイプです。僕がめいに対して女の子にも、男の子にも見えるという感情を抱き、“がぶ”との友情にも世界に共通する普遍性を感じたので、それをそのまま表現できるように勤めました。

ナウシカには、映画とその原作である漫画があって、いろいろな捉え方があると思うんです。漫画から入られた方にも映画の声でユパをイメージする方がいらっしゃると思うので、それは大切にしたいですね。ユパを演じるには、僕は若すぎると思うので、ユパを若い設定にして自分に寄せるのではなく、僕が演じても遜色がないようにするにはどうしたらいいのかを考えています」

これから約1か月の稽古を経て、この新作歌舞伎が誕生し、1月には40周年を迎える「新春浅草歌舞伎」という古典歌舞伎と向き合う公演が待っている。歌舞伎にとって不可欠な伝統と革新の両輪を松也さんはしっかりと支えている。

「初めてリーダー的な立場として参加した2015年に『仮名手本忠臣蔵』の勘平を勤めさせていただいたのですが、見るのと演るのは全く違う。勘平が辛い役であることを実感しました。菊五郎のお兄さんに教えていただき、辛いことは伺っていましたが、気持ちを作って持続させるのが本当に大変でした。精神的にも鍛えられたと思います」

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