【腕利き職人スーパースター列伝】〜vol.9〜 3倍の努力で夢を叶えたパリの日本人/後編

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逆風の中、成功のきっかけは?

「神戸ブランメルクラブの河合正人さんが、とても親切に相談に乗ってくださいました。認知度を高めるためにも『健次郎君のコラムを書いてみてはどう?』と提案してくださったんです。その後、毎月1回、フランスのテーラーについて、事細かに紹介を続けることで、興味を持ってもらえるようになりました。コラムは1年間続け、翌年の夏、神戸ブランメルクラブ主催で中野香織さん、青柳光則さんと一緒に『鈴木健次郎とパリのテーラーリング』というファッション関係者向けトークショーを開催。トークショーには100人以上の方が集まってくださり大盛況になりました」。

鈴木さんの仕事の様子を拝見(写真3枚)

ようやくパリのテーラーリングを広めるチャンスが!

「当時ヨーロッパのテーラーで修行した日本人はいても、私のように15年以上も滞在経験がある人はほとんどいなかったのです。私はフランス人のお客様のご自宅に行き、仮縫い、納品をしていました。お客様のワードローブも拝見し、色々なご提案をしてきました。そうした生活者の目線でパリのテーラードについてのお話をしたことも良かったのかもしれません。トークショー後には有名百貨店様から受注会のオファーもいただけました。私個人では100人もの人を呼ぶことは出来なかったし、人脈が広い河合さんのお陰だったとずっと感謝しています。そうした流れで日本での受注会開催も決まり、2012年にパリで独立出来ました」。

思いが通じて、周囲も応援してくれたんですね!

「独立当初は自宅の一室をアトリエにして活動し、その後パリ8区にブティック兼アトリエを構えることができました。同時期にNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で約50分間の特集を組んでいただき、そのあと受注数は徐々に伸びていきました。現在はパリ8区の大統領府から徒歩2?3分の場所に2店舗目を構えることができました。日本では銀座和光とホテルで行う個人受注会を年5回開催しています」。

新たにオープンした2軒目の店舗をご紹介(写真3枚)

幅広い人物との出会いに加え、臆せずに、さまざまな場へとぶつかっていった情熱が、鈴木さんを成功へと導いた。また、そんな彼の行動力や、これまでの経験を知ると、こちらも成功がとても喜ばしく思えてくる。パリのアメリカ人ならぬ、パリの日本人が、今後、どこまで上り詰めるのか、まだまだ目が離せない。

【鈴木さんをファッションチェック】(写真4枚)

取材時の鈴木さんの装いを拝見。撮影/小澤達也(Studio Mug)



取材・構成/川田剛史

型紙を製作中。

型紙を製作中。

生地を裁断する鈴木さん。

生地を裁断する鈴木さん。

こちらも生地を裁断している様子。

こちらも生地を裁断している様子。

こちらが2019年にオープンした2つ目の店舗。

こちらが2019年にオープンした2つ目の店舗。

新店舗の画像も鈴木さん自身の撮影によるものだ。

新店舗の画像も鈴木さん自身の撮影によるものだ。

エレガントな店内。

エレガントな店内。

今回のコーディネイトではブルー系のグラデーションを意識している。ジャケット・シャツ・パンツ・ネクタイ・チーフ/ケンジロウ スズキ。シューズ/ジョンロブ。

今回のコーディネイトではブルー系のグラデーションを意識している。ジャケット・シャツ・パンツ・ネクタイ・チーフ/ケンジロウ スズキ。シューズ/ジョンロブ。

ふわりとスカーフのような雰囲気のタイ。存在感を強調するノットをずらした結び方が印象的だ。

ふわりとスカーフのような雰囲気のタイ。存在感を強調するノットをずらした結び方が印象的だ。

クラシックなデザインのハミルトンのウォッチ。

クラシックなデザインのハミルトンのウォッチ。

光沢が美しいジョンロブ。写真の既製品のほか、オーダーメイド品も愛用しているそうだ。

光沢が美しいジョンロブ。写真の既製品のほか、オーダーメイド品も愛用しているそうだ。

2025

VOL.345

Spring

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