クルマ好きの心に刺さる
実は今、個人的にいちばん欲しいモデルが、ルノーのトゥインゴだ。昨今、日産とのあれこれで日本で有名になってしまったルノーだが、そのブランド性は分かりづらい。モータースポーツから想像されるスポーティさはルノーの一面であるし、日本のカングーがもたらしたスタイルも、ルノーの一面に過ぎない。
僕個人は、ルノーらしさとは、人生を愉しくしてくれる合理性にあると、自分なりの理解をしている。それは眺めているだけで、日々新しい魅力を伝えてくるデザインだったり、装備含めてイマドキの流行りは欠けているけどこれもいいと思わない? という語りかけだったり、何気ない日常を愉しくしてくれる、そんな合理性だ。そして、それが色濃く詰まっているのが、このトゥインゴだと思う。
ルノーのコンパクトモデルというポジションにあるトゥインゴだが、この3世代目はスマートとプラットフォームを共用し、リアにエンジンを搭載してリアタイヤを駆動する、ちょっと珍しいRRレイアウトを採用している。その理由はスマート側のRRへのこだわりに付き合った感もあるのだが、実際、ルノーでは、過去に4CV、そして旧アルピーヌA110、さらにはサンク・ターボに、ルーテシアV6、最近では復活したアルピーヌA110など、MRレイアウトを含めてフロント以外にエンジンを配置するレイアウトをもったクルマを数多くリリースしており、ノウハウがないどころか、得意としている。
ちなみに、RRレイアウトのメリットは、リアにエンジンという重量物を載せているためリアタイヤへの荷重が大きく加速性に優れること、キャビンのスペース効率に優れることなどが挙げられる。しかし、その分、センシティブな面も持ち、タイヤのグリップが落ちるウェットシーンでは挙動の乱れを誘うこともあり、大きなメリットと大きなデメリットが存在している。