神戸三景。山から、海から、街から
前編はこちら神戸は言うまでもなく港町だ。となれば、ほんの少しでも海に出たい。ということで、オリエンタルホテル神戸メリケンパークの目の前にある波止場から”Fantasy号”にてクルーズ観光をすることにした。ベタだが、案外これが楽しかった。ひとりでクルーズ船にまで乗ってしまえるほどボッチ耐性はあるので、たとえ観光船でもおひとり様でなんともない。平日だったので人出もそこまで多くはなく、のんびりと静かにプチ船旅を楽しんだ。
この日は波が高かったので、いつもとは違うコースに。まあ、取り立てて問題はない。ハーバーランドの横を通り、造船エリア、ポートアイランドとぐるっと回って帰ってくる45分間。船から神戸の街を、そして様々な施設をボーッと眺めているだけで心が落ち着く。運良く、造船エリアでは潜水艦を観ることができた。これはラッキー。夜景はさぞきれいだろう。次回乗るときは夜にしよう、そう決めた。
船内で「ビール!」とも思ったが、なんとなく美しいブルーのボトルに惹かれて神戸メリケンサイダーに。この後、夕食でシャンパンを飲むので、控えたというのが正しいが……。
元来、乗り物が好き。しかも高いところに上るのが好きなもので、ロープウェイにも乗ってみた。新神戸の駅からてくてく歩き、”神戸布引ロープウェイ”で、ハーブ園へ。行程は約10分。途中駅は帰りに使う方がよいとのことで、一気に頂上まで。あいにくの曇り空だったが、やはり気持ちがいい。下界よりもいくぶん涼しく、空気も澄んでいるような気がした。
実は、その昔に植物図鑑の編集をしたことがある。もう20年以上も前の話。”三つ子の魂百まで”というわけで、ハーブや樹木は見るだけで名前や効用がだいたいわかる。今の仕事柄、アロマテラピーや精油の知識もあるので、このハーブ園はなかなか楽しめた。
さて、海と山から神戸の街を堪能した。となれば、次は街から。神戸が実は餃子の街と聞いて、いくつか巡ってみようと思っていた。酒場から眺めるには、やはりビールが必要だ。
ということで、ハーブ園からまたもやてくてく歩いて、異人館辺りまできた。「見学しようか?」とも思ったが、以前にも来たし、ここはパス。ビールは飲めないだろうし。外観をなんとなく眺めて、これまた三宮に向かって歩く。なんとこの日は2万1983歩も歩いていた。蒸し暑い日だったので、とりあえずビールが飲みたい。サウナでガマンするように自分をじらしていた。