メンズファッション業界にはお洒落なだけでなく、とても個性的な生き方をしている人がたくさんいる。この連載では、いま注目の業界人のファッション履歴を通じ、各人の人間的な魅力に迫ってみたい。
第十五回 ブルックス ブラザーズ ジャパン 代表取締役社長 小布施 森一さんの場合
Profile
小布施 森一さん/ブルックス ブラザーズ ジャパン 代表取締役社長
1955年東京生まれ。幼少期からアメリカのライフスタイルに憧れを抱き、トラッドファッションに傾倒。高校卒業後、アメリカへ留学し、ブルックス ブラザーズの魅力を知る。帰国後は得意の英語を生かし、日本のデザイナーズブランドの海外業務を歴任し、アメリカ赴任も経験することに。1990年に帰国して以降、豊富な経験を買われ、複数のラグジュアリーブランドに携わる。2012年から現職。
国内外から、日本のファッションの動向を見つめ続けた
アメリカのファッション界を代表するブルックス ブラザーズは、創業から200年を越えるブランドとして、洒落者のみならず広く知られた名門だ。
ブランドの雰囲気を体現する設えの社長室に小布施森一さんはいらした。お話をすると、なんともにこやかな笑顔が印象的。着用されているシアサッカーのスーツは、まさにアメリカントラッドそのものであり、清潔感たっぷりだ。
アメリカントラッドを地で行く方と思いきや、経歴を聞いて驚いた。長いキャリアにおいてDCからラグジュアリーブランドまで、ありとあらゆるファッションブランドの仕事をされていたという。