2年ぶりのアルバムを発表した、ウルフルズのトータス松本さんに話を聞いてみた

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この人の歌声とメッセージに心を震わせ、勇気をもらったM.E.世代も多いのではないだろうか。「今月の人」は、2年ぶりのアルバムを発表したトータス松本氏。新作に込めた思いなどを聞いた。

トータス松本

トータス松本 Tortoise Matsumoto


Profile
ロックバンド、ウルフルズのVo./G担当。現メンバーは、ジョンB(B)、サンコンJr.(Dr.)の3人。1988年結成、1992年にシングル『やぶれかぶれ』でデビュー。1995年発表の『ガッツだぜ!!』、翌年の『バンザイ〜好きでよかった〜』でブレイク。3rdアルバム『バンザイ』は100万枚を超える大ヒットとなった。現在、全国ツアー「ウルフルズ ツアー2019センチ センチ センチメンタルフィーバー” 飛翔篇”」を開催中。ゲストギタリストに桜井秀俊(真心ブラザーズ)が迎えられている。

ジャケット40万円、シャツ8万円/以上グッチ(グッチ ジャパンカスタマーサービス)

時代や流行に関係なく得意なことをやり切れば、すごく強いものになるんじゃないかと思った

レーベル移籍後初となるエネルギッシュな一枚

『変わる 変わる時 変われば 変われ』。昨年、3ピース・バンドとして新たなスタートを切ったウルフルズが、レーベル移籍を経て最初に世に送り出した楽曲だ。バンドの決意表明とも言える1曲であり、「チェンジこそがチャンス」「チャレンジのチャンス」と力強く歌うトータス松本氏のボーカルに、グッときてしまう。

「3人になることが決まった時から、”変わる”ってことをキーワードに1曲作りたいという気持ちが、ずっとあったんです。僕はちょうど引っ越しをしたばっかりで、段ボールに囲まれながら作っていました。移籍はね、なんか面白いかなと思って(笑)。だって普通、メンバーが減ったウルフルズと契約したいと思わないでしょ。だから面白いと思ったし素直に嬉しかったんですよね」

この曲を含む、通算15枚目のニューアルバム『ウ!!!』が完成した。テーマは「攻めること」だったと、自身が制作過程を振り返る今作。いきなりの衝撃が、我々リスナーを待ち受けている。冒頭の『センチメンタルフィーバー ?あなたが好きだから?』は、なんと意外にもシンセがピコピコ鳴りまくるテクノ・ポップなのだ。

「きっかけは、新しいアーティスト写真でした。現場では、なんかインチキ香港映画とか、インチキ韓流みたいやなって笑っていたんですけど、その写真に合わせて『3人はテクノ・バンドだという想定にしたら面白いんちゃうか』って、サンコン(ドラムス)が言いだして。そのイメージから曲ができて、韓流といえば『あなたが好きだから』だなと(笑)」

そしてそこからの展開が、何とも痛快。ソウルにファンク、ブルースにロックンロールと、これぞウルフルズ!と快哉を叫びたくなる佳曲、美曲が惜しげもなく並ぶ。攻めの姿勢が、バンドの初期衝動を呼び覚ますような作風へと導いたのかもしれない。

「とにかく得意なことに特化して作ったという、そんなアルバムですね。テクノはジャンルとして得意なわけじゃないけど、遊び心として入れたっていう。ウルフルズは、遊び心やユーモアみたいなものも得意ですから。バリエーションなんかを考えて、こんな曲もあんな曲もって作っていったんじゃなくて、得意なことしかやっていない。そうすることが結局、一番の攻めになると思ったんですよね。時代とか流行とかにも関係なく、自分らの得意なことをやり切れば、すごく強いアルバムになるんじゃないかなって」

歳を重ねて、「衣装ではスーツが一番落ち着くようになった」と語る氏。最近では、ライブでも着用している着物がお気に入りだとか。その理由も、実に”らしい”。「素材はスーツとかと同じ。洋服の生地なんです。それを着物風に仕立てた、すごくいいのがあるんですよ。最近よく着ています。これからは着物でいこうかな。昔の大島 渚監督みたいに(笑)。着物を着た文化人って、今いないじゃないですか。誰もやっていないし、アリだと思うんですよね」

『ウ!!!』ウルフルズ

『ウ!!!』ウルフルズ

「攻めること」をテーマに誕生した通算15 枚目のアルバム

ABC朝日放送『おはよう朝日です』のテーマソング『変わる 変わる時 変われば 変われ』、関西電力CFソング『パワー』、ダスキンCFソング『ひとつふたつ』など全10曲を収録。アルバムタイトルは「サンコンが突然思いついた(笑)。デザインとしてもカッコいいし、これでいこうと」。

[MEN’S EX 2019年7・8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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