【ビームス クリエイティブディレクター・中村達也さんに聞いた】「あなたにとって、スーツとは?」

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新しい時代を前にして「あなたにとって、スーツとは?」
ビームス クリエイティブディレクター 中村達也さん

中村達也さん
初夏にぴったりのソラーロのスーツで。大柄になっているヴィンテージ調の流れを継続したペイズリータイを。ベージュから茶のグラデーションも洒脱だ。

時代の流れを受け入れながら新たな世界観を楽しむもの

人生100年時代では、企業ごとの服装のルールが緩やかになった。スニーカー通勤も増えた今、スーツに求められている役割を、ビームスの中村さんに聞いた。

「背広=仕事着だったスーツは、平成に入り、自己表現の道具やお洒落着として、その世界観はグッと広がりました。メンズ服では古典に分類されるスーツですが、クラシックといってもリバイバルもあれば、アップデートされたモノもあります。最近でいえば、ジャージースーツやトラベルスーツ、セットアップスーツなど。これら新ジャンルの登場が、仕事以外でもスーツを楽しむ新潮流を作り出しました。この流れは新元号を迎え、さらに加速しそうです」

ドレス部門の司令塔である中村さんは、新たなスーツの潮流をどう楽しんでいくのだろうか?

様々なスーツにトライできる環境を積極的に受け入れていきたいと思います。最近はセオリーに縛られない、新しい着こなしも増えています。スーツにタートルやニットポロも今や当たり前。スーツによってはスニーカーを合わせるスタイルも広がりを見せています。丸の内あたりではスーツを休日にカジュアルで着こなしている人も多く見かけるようになりました」

ちなみに、装いをアップデートするため、普段から意識していることがあるかと聞いてみると、「自分の尺度だけで物事を考えてしまうと、気付かないうちにマインドが古くなることもあります。伊・英・米のクラシックな装いを新鮮で純粋に格好いいと感じている、若手スタッフたちの価値観も、大切にしています」

確かに、年を重ねるとそれまでの経験や知識が邪魔をすることも。そんな時に、若手の自由な発想が逆に新鮮に感じられることもある。

「自分のスタイルはあっていいと思います。しかし、新しいことも受け入れていける柔軟性も同時に必要。時代の変化を受け入れ、それを自分らしくアウトプットしていくこと。ファッションに限らず、情報過多の時代には、それが益々大事になっていくはずですから」

Profile
ビームス クリエイティブディレクター
中村達也さん

1963年新潟県生まれ。大学時代にビームスでアルバイトを始め、卒業と同時に同社に入社。現在、「ビームスF」、「ブリッラ ペル イル グスト」などのドレス部門を統括するクリエイティブディレクターを務める。



※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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