スーツの印象を決定づける、最も基本的なファクターが、色だ。濃色のグレーやネイビーがその王道だが、”トーン”を変えることで、スーツの装いは品格を保ちながら新鮮にアップデートできる。今季は、ブラウンも注目株。まずは色から、自由にスーツを楽しもう。
ライトグレーの軽やかさと清涼感が”洒脱”を生む
スーツにおける2大基本色の片翼を担うグレーは、渋さや落ち着きが魅力。中でも王道は、各国の首脳が重要なサミットで着るようなチャコールグレーであり、シーンを選ばず通用する、最も品格あるスーツの鉄板色といえる。しかし、あえてその道の端にあるライトグレーを攻めることをM.E.はお勧めしたい。これらトーンの浅いグレーは、濃色のそれとは違った魅力を秘めているのだ。
魅力の核となるのは、軽やかさだ。チャコールグレーの重厚感はそれはそれで素敵なのだが、日常ではお堅くなりすぎてしまうきらいも。その点軽やかなライトグレーなら、品格を備えつつ、爽やかな印象を与えられるのだ。下写真トゥモローランド ピルグリムの一着のように、ファインタッチの艶やかなそれを選べばなおさら。メランジの風合いにも、洒落たニュアンスが漂う。そう、トーンを抑えることで、グレーは見違えるほど洒脱に装えるのである。
TOMORROWLAND PILGRIM / トゥモローランド ピルグリム
極上生地の艶が引き立てるライトグレーの爽やかさ
スーパー170’sの極めて上質なウール原毛に、シルクをブレンド。とろけるようなタッチに仕上げた、ロロ・ピアーナ「ロイヤル ウィッシュ」生地を用いたラグジュアリーな一着だ。品のいい艶感が、ライトグレーのクリーンな趣を際立たせる。