夏場ともなれば最新の高機能素材を用いた服がショップを席巻するが、一方で昔から世の伊達男に愛されてきた天然の機能素材も根強い人気を保っている。クラシックなイメージに反し、今日でもその快適性能が有効であること、さらにはその風合いや佇まいに、他に替えがたい魅力があるからだろう。情緒ある正統派の夏スタイルを築きたいなら、これだ。
通気性に優れるも、ラグジュアリーさを醸し出す
Mohair
— モヘア —
モヘアはアンゴラ山羊の毛で、ウールよりも繊維が太くて長く、弾力性にも優れる。もともと熱伝導率が低いが、太さの違うウールと混紡することで生地表面に凹凸ができ、通気性に富んださらりとしたタッチの生地となる。また、ハリとコシ、落ち感という生地にとって大切な要素をもたらしてくれるのも特徴で、3つ杢などハイツイストな糸で織られたものならシワになりにくく、クリースも取れにくい。さらにモヘアは光沢性に優れるため夏場の強い日差しの下で映え、装い次第でぐっと大人のエレガンスが際立つのも魅力だ。
SOVEREIGN
控えめな光沢が品良く使える
幅広のラペルやしっかりしたパッドを仕込んだ肩などのクラシックなスタイルを、モヘア混生地のシャキッとした風合いが一層端正に見せる。控えめな光沢も上品。ちなみにパンツは1プリーツ入りだ。生地はモヘア60%+ウール40%。
BRILLA PER IL GUSTO
ナポリ調の軽快な仕立て。ライトグレーの生地はシャリ味が強く、爽快な着心地が味わえる。明るいライトグレーはモヘア特有の光沢を愉しむのに最適。パンツは1プリーツ。生地はモヘア54%+ウール46%。