重鎮たちの”真”一生定番考

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重鎮たちの

ファッション界にてさまざまな経験を積んできた重鎮だからこそ、トラッドの真意を語れるもの。そんな彼らが長年愛用してきたアイテムをリサーチ。どれも色褪せることない、名品ばかりだ。




[MEN’S EX2018年05月号の記事を再構成]
撮影/片桐史郎(TROLLEY)、若林武志、岡田ナツ子、長尾真志、村上 健、杉山節夫、大泉省吾、田中新一郎八田政玄、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE)、宮崎 司(CODE)、佐々木 誠 ヘアメイク/松本 順(辻事務所)、勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/伊澤一臣、宮嶋将良(POW-DER) 取材・文/安藤菜穂子、酒向充英 文/長崎義紹(paragraph)、中河由起恵(paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、池田保行(04)、礒村真介 撮影協力/七彩、新宿パークタワー、パークハイアット東京、リュド・ヴィンテージ目白

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>インコントロ 代表 赤峰幸生さん</strong></span><br />自身のブランド「アカミネロイヤルライン」の運営や、大手アパレルなどの監修を手掛ける。国内外のクラシックスタイルに精通する。<br /><br /><strong>【25年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>LIVERANO & LIVERANO<br />リヴェラーノ&リヴェラーノのダブルブレストスーツ</strong></span><br /><br /><strong>・英国の黄金期を継ぐ色褪せない横綱スーツ</strong><br />「1920〜30年代のいわゆる英国発の背広がかっこよかった時代のスーツはまさにスーツの'横綱'的存在で、シルエットなども古くなることがないもの。生地を持ち込み、リヴェラーノ兄弟の兄、ルイジさんに作っていただいたこのスーツもまさにその形を意識しています。少しくらいシミがついても、それも自分が着てきたことの証だと思って長年愛用していますね。トラッドとは、このような'横綱' 的スーツもそうだし、あるいは次の代に受け継げるような大切な服もそう。私が思うトラッドとは、自分の感性とともに生活の中で着こなしたり、身につけたりできるものといえるでしょう。そしてそれをまた次の時代に受け継いでいきたいですね」

インコントロ 代表 赤峰幸生さん
自身のブランド「アカミネロイヤルライン」の運営や、大手アパレルなどの監修を手掛ける。国内外のクラシックスタイルに精通する。

【25年愛用】
LIVERANO & LIVERANO
リヴェラーノ&リヴェラーノのダブルブレストスーツ


・英国の黄金期を継ぐ色褪せない横綱スーツ
「1920〜30年代のいわゆる英国発の背広がかっこよかった時代のスーツはまさにスーツの'横綱'的存在で、シルエットなども古くなることがないもの。生地を持ち込み、リヴェラーノ兄弟の兄、ルイジさんに作っていただいたこのスーツもまさにその形を意識しています。少しくらいシミがついても、それも自分が着てきたことの証だと思って長年愛用していますね。トラッドとは、このような'横綱' 的スーツもそうだし、あるいは次の代に受け継げるような大切な服もそう。私が思うトラッドとは、自分の感性とともに生活の中で着こなしたり、身につけたりできるものといえるでしょう。そしてそれをまた次の時代に受け継いでいきたいですね」

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>ハケット ロンドン 代表 ジェレミー・ハケットさん</strong></span><br />ハケット ロンドンの創業者であり、ブリティッシュトラッドのご意見番。25周年を迎えた本誌に向け、'おめでとう'のお言葉も。<br /><br /><strong>【30年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>HACKETT LONDON<br />ハケット ロンドンのダブルブレストコート</strong></span><br /><br /><strong>・時代が変わっても常に出番が多いトラッド代名詞</strong><br />「トラディショナルと聞くと一般的には古臭い、流行遅れと感じる人が多いと思います。でも私はまったくその逆。例えば名曲と呼ばれるものは、時が経ても素晴らしく聞こえ、どの世代にも愛され続けている。ファッションにおいてもそれと同じことが言えます。いつの時代でも古びない、時を超えたものがトラディショナルと私は解釈しています。このコートはまさにそんな服。30年前に作ったのですが、今着ても周囲からは'ステキなコートですね'と褒められます。もしコートを復刻させるとすると、もちろん時代の流行はあるので細部をやや現代風に調整するかもしれません。しかし、コートが備える本質的なスタイルを変えることはないでしょう」

ハケット ロンドン 代表 ジェレミー・ハケットさん
ハケット ロンドンの創業者であり、ブリティッシュトラッドのご意見番。25周年を迎えた本誌に向け、'おめでとう'のお言葉も。

【30年愛用】
HACKETT LONDON
ハケット ロンドンのダブルブレストコート


・時代が変わっても常に出番が多いトラッド代名詞
「トラディショナルと聞くと一般的には古臭い、流行遅れと感じる人が多いと思います。でも私はまったくその逆。例えば名曲と呼ばれるものは、時が経ても素晴らしく聞こえ、どの世代にも愛され続けている。ファッションにおいてもそれと同じことが言えます。いつの時代でも古びない、時を超えたものがトラディショナルと私は解釈しています。このコートはまさにそんな服。30年前に作ったのですが、今着ても周囲からは'ステキなコートですね'と褒められます。もしコートを復刻させるとすると、もちろん時代の流行はあるので細部をやや現代風に調整するかもしれません。しかし、コートが備える本質的なスタイルを変えることはないでしょう」

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>イラストレーター ソリマチアキラさん</strong></span><br />ファッション誌や広告で活躍する、人気イラストレーター。欧州、アメリカの1950〜60年代カルチャーを愛し、現在もその影響を受ける。<br /><br /><strong>【20年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>LLOYD FOOTWEAR<br />ロイド フットウェアのスエードダービーシューズ</strong></span><br /><br /><strong>・クラシックなデザインに欧州'50 〜'60年代が薫る</strong><br />「20代後半まではアメリカンテイストの服が多かったですが、’50〜60年代の英国映画をよく見ていたこともあり、徐々に当時の彼らの着こなしやカルチャーが気になり英国モノを手にいれたのがこの靴。シンプルなデザインですが、表情が豊かでどこかフレンチの薫りもするところがいいんです。当時の欧州のクラシックなスタイルは、普遍さも感じられつつ着る人のキャラクターも表れます。そんな着こなしを可能にするものが私の定番です」

イラストレーター ソリマチアキラさん
ファッション誌や広告で活躍する、人気イラストレーター。欧州、アメリカの1950〜60年代カルチャーを愛し、現在もその影響を受ける。

【20年愛用】
LLOYD FOOTWEAR
ロイド フットウェアのスエードダービーシューズ


・クラシックなデザインに欧州'50 〜'60年代が薫る
「20代後半まではアメリカンテイストの服が多かったですが、’50〜60年代の英国映画をよく見ていたこともあり、徐々に当時の彼らの着こなしやカルチャーが気になり英国モノを手にいれたのがこの靴。シンプルなデザインですが、表情が豊かでどこかフレンチの薫りもするところがいいんです。当時の欧州のクラシックなスタイルは、普遍さも感じられつつ着る人のキャラクターも表れます。そんな着こなしを可能にするものが私の定番です」

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>チューブ 代表 斎藤久夫さん</strong></span><br />1979年にチューブを立ち上げ現在では有名ブランドやセレクトショップのアドバイザーを務める。ファッション界の生き字引的存在。<br /><br /><strong>【20年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>TUBE×UNITED ARROWS<br />チューブ×ユナイテッドアローズのロンドンストライプシャツ</strong></span><br /><br /><strong>・遊びを利かせてこそトラッドを嗜める</strong><br />「20年前にユナイテッドアローズと作ったこちらのシャツ。ベーシックなロンドンストライプでありながら、縞と縞の間にラメの線を入れ、袖と襟の色を濃いブルーにしたデザインになっています。これは私なりのトラディショナルの解釈。基本的な服を時代の変化に合わせて楽しんで着ること、ちょっとした変化で服を着ることを楽しむことが大事ではないかと思います。そんな服もトラディショナルの仲間にいれてください。時代はもう21世紀なのですから」

チューブ 代表 斎藤久夫さん
1979年にチューブを立ち上げ現在では有名ブランドやセレクトショップのアドバイザーを務める。ファッション界の生き字引的存在。

【20年愛用】
TUBE×UNITED ARROWS
チューブ×ユナイテッドアローズのロンドンストライプシャツ


・遊びを利かせてこそトラッドを嗜める
「20年前にユナイテッドアローズと作ったこちらのシャツ。ベーシックなロンドンストライプでありながら、縞と縞の間にラメの線を入れ、袖と襟の色を濃いブルーにしたデザインになっています。これは私なりのトラディショナルの解釈。基本的な服を時代の変化に合わせて楽しんで着ること、ちょっとした変化で服を着ることを楽しむことが大事ではないかと思います。そんな服もトラディショナルの仲間にいれてください。時代はもう21世紀なのですから」

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>カルロ インターナショナル 代表 黒部和夫さん</strong></span><br />ファッション評論家、ファッションコンサルティング、スタイリングなど、さまざまな顔を持つ。業界の頼れる兄貴で有名。<br /><br /><strong>【40年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>HERMES<br />エルメスのサック ア デペッシュ</strong></span><br /><br /><strong>・スーツに馴染む完成されたデザイン美</strong><br />「私が思うトラッドの要素とは、完成されたデザイン、持ち主の人となりを表せること、ブランド側が修理し長く使えるところ。この3つを備えるのがこの鞄。40年前に購入し去年修理から戻ってきましたが、無駄のないシンプルなデザインはいつ見ても惚れ惚れします。手に持ったときにもしっくりときますし、きちんと自立するので機能面も納得。長年愛用できるモノこそ、本当のトラッドといえるのでしょうね」

カルロ インターナショナル 代表 黒部和夫さん
ファッション評論家、ファッションコンサルティング、スタイリングなど、さまざまな顔を持つ。業界の頼れる兄貴で有名。

【40年愛用】
HERMES
エルメスのサック ア デペッシュ


・スーツに馴染む完成されたデザイン美
「私が思うトラッドの要素とは、完成されたデザイン、持ち主の人となりを表せること、ブランド側が修理し長く使えるところ。この3つを備えるのがこの鞄。40年前に購入し去年修理から戻ってきましたが、無駄のないシンプルなデザインはいつ見ても惚れ惚れします。手に持ったときにもしっくりときますし、きちんと自立するので機能面も納得。長年愛用できるモノこそ、本当のトラッドといえるのでしょうね」

<span style='font-color:#000; background-color:#f2f2f2; font-size:1.1em;'><strong>フェアファクスコレクティブ 代表 慶伊道彦さん</strong></span><br />日本のネクタイ文化の功労者である人物。映画や古き良きアメリカンカルチャーに造詣が深く、その独自の着こなしに憧れるファンも多い。<br /><br /><strong>【50年愛用】</strong><br /><span style='font-size:1.1em;border-bottom: 1px #000000 solid;'><strong>FAIRFAX<br />フェアファクスの黒シルクニットタイ</strong></span><br /><br /><strong>・無造作な装いを実現する究極のトラッドタイ</strong><br />「5年に1本買い替えていて、気づけば50年も愛用している黒シルクニットタイ。アイビーらしさが醸し出せる唯一無二の存在で、トラッドの基本といえるネクタイです。ドレスダウンやカジュアルアップのVゾーンにとけ込みやすく、スタイリングを黒で締めつつ胸元にちょっとした陰影をつけてくれます。男性のトラディショナルな装いで大事なのは、かっこつけすぎない無造作感。このネクタイはそんな着こなしにぴったりですね」

フェアファクスコレクティブ 代表 慶伊道彦さん
日本のネクタイ文化の功労者である人物。映画や古き良きアメリカンカルチャーに造詣が深く、その独自の着こなしに憧れるファンも多い。

【50年愛用】
FAIRFAX
フェアファクスの黒シルクニットタイ


・無造作な装いを実現する究極のトラッドタイ
「5年に1本買い替えていて、気づけば50年も愛用している黒シルクニットタイ。アイビーらしさが醸し出せる唯一無二の存在で、トラッドの基本といえるネクタイです。ドレスダウンやカジュアルアップのVゾーンにとけ込みやすく、スタイリングを黒で締めつつ胸元にちょっとした陰影をつけてくれます。男性のトラディショナルな装いで大事なのは、かっこつけすぎない無造作感。このネクタイはそんな着こなしにぴったりですね」

2024

VOL.342

Autumn

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