\ イタリアの佇まいがブレザーに”今”を吹き込む /
BLAZER
ブレザー
TAGLIATORE
タリアトーレのブレザー
モダンテーラリングの巨匠が王道ブレザーに時代感を注入
好例が上写真のネイビーブレザーだ。メタルボタンが品行方正な雰囲気を高めるブレザーは、普通のジャケット以上にきちんとした印象を築きやすく、いつの時代も男の定番として愛されてきた。それでいてもともとスポーティなウェアでもあるためカジュアルでも着やすく、オンとオフの装いの垣根が低くなっている今日、もっとも使い勝手のいいジャケットとして人気が再燃しているのはご存じの通り。実際に今季久々に新調しようと考えている読者もいるだろう。
そんな方々が、このタリアトーレに袖を通せば愕然とするはずだ。ブレザーらしい凛とした見た目と裏腹、大仰な肩パッドを省いたアンコン仕立てにより着心地は非常に軽快。シルエットもボクシーではなく、ウエストのシェイプが効き、とても立体的で美しい。クラシックな幅広ラペルながらゴージ位置を高めに設定したところ、また深く切れ込んだセンターベントなども、程よくモダンな色気を感じさせる。英国でスポーツやミリタリーの制服として生まれ、米国で育てられたブレザーだが、この一着は隅々までタリアトーレの美学 で洗練アレンジされており、佇まいは今のイタリアジャケットの模範解答。正統ブレザーのどっしり地に足がついた感じもいいが、程よく華を感じさせる装いが様々に楽しめる一着として、こちらにより魅力を感じる人は多いはず。これこそがトラッドの最前線である。
ゴールドのメタルボタンや、両腰のフラップ&パッチポケットこそ王道を踏襲するが、イタリアらしいアンコン仕立てや、攻めたシルエットで見映えはモダン。生地はドライタッチのホップサックで通気性がよく、夏場も心地いい。
[MEN’S EX2018年05月号の記事を再構成]
撮影/片桐史郎(TROLLEY)、若林武志、岡田ナツ子、長尾真志、村上 健、杉山節夫、大泉省吾、田中新一郎八田政玄、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE)、宮崎 司(CODE)、佐々木 誠 ヘアメイク/松本 順(辻事務所)、勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/伊澤一臣、宮嶋将良(POW-DER) 取材・文/安藤菜穂子、酒向充英 文/長崎義紹(paragraph)、中河由起恵(paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、池田保行(04)、礒村真介 撮影協力/七彩、新宿パークタワー、パークハイアット東京、リュド・ヴィンテージ目白