黒ベースのタイは無彩色ゆえ、胸元に強い引き締め効果をもたらすのがポイント。”盛る”だけがお洒落の技にあらず。色要素を控えた”引き算の美”こそは、新時代のクラシックと言えるもの。
白シャツでコントラストを強調
隅々までモノトーンを貫くことでさらなる洗練が
グレースーツに白無地シャツ、そして黒色ベースのタイを合わせた装いは、都会的な渋味が滲むもの。使用するアイテムどれもが普遍的なものでありながら、全体的にはモダンな洒落感を放つ着こなしであるのがポイント。比較的年齢層の若い人が集まる、IT関係のミーティングなどにこんな装いで臨むのも控え目だが適度な存在感を演出でき一興だ。
モダンな凛々しさが手軽に誰でも味わえる
メンズスタイルに造詣の深い人なら”パワータイ”はすでにご存知のことだろう。ケネディを筆頭とする米国大統領が演説などの際に締める真っ赤なタイのこと。力強さをアピールする赤タイは、ある意味プラスの発想だ。しかし一般的なビジネスのシーンでは”前に出る”ことより”控えめに徹する”ことが求められるもの。無彩色のひとつである黒は強い引き締め効果を持つ色。黒ベースのタイを取り入れることで、胸元に色を足すのではなく”抜き”による削ぎ落としたようなシャープさが装いに加わるのだ。色彩学的には黒無地でも良いが、モードの雰囲気が強くなるため黒ベースの柄入りタイがビジネス的には穏当。凛々しく引き締まりながらも都会的なクールさを感じさせる黒タイの装い。いつものスーツ姿がリフレッシュされることを保証しよう。
1. JOHN COMFORT
ジョン コンフォート
ドット柄も極めて英国的なパターンのひとつ。玉柄の直径の大きさはこのような3mm前後がビジネス向き。1万4000円(フェアファクスコレクティブ)
2. TOMORROWLAND
トゥモローランド
クラブタイを思わせる柄行き。職人的なセッテピエゲが特徴。2万5000円(トゥモローランド 渋谷店)
3. ANTONIO MURO
アントニオ ムーロ
伝統的な小紋は黒ベースでもシック。多様なシーンに使えて万能だ。1万8000円(伊勢丹新宿店)
4. HOLLIDAY & BROWN
ホリデー&ブラウン
ビンテージライクなストライプ柄。シャープさと独特な柔らかさを併せ持つ。1万6000円(ビームス ハウス 丸の内)
5. OLD ENGLAND
オールド イングランド
小柄のペイズリーは濃すぎない味わいがポイント。1万2000円/オールド イングランド(オールド イングランド オム 広尾店)
素材感あるジャケットには黒ニットタイが相性抜群
[MEN’S EX2018年04月号の記事を再構成]
撮影/野口貴司(San・Drago)、若林武志、岡田ナツ子、松崎浩之スタイリング/四方章敬、宮崎 司(CODE) ヘアメイク/松本 順(辻事務所) 構成・文/伊澤一臣 文/秦 大輔、長谷川 剛(04)、安岡将文、星野勘太郎、酒向充英 撮影協力/七彩、丸の内マイプラザ