節度ある装いを基本にしつつも、ひと匙分だけ洒脱さを採り入れたい—。ならば選ぶべきは、織り柄や同色柄に代表される”0.5柄スーツ”。慎ましくも小粋な柄ゆえ汎用性が高く、Vゾーンのあしらいも容易だ。
0.5柄スーツを巧く着こなすために、覚えておきたいのが柄合わせのセオリーだ。ポイントはスーツとタイ、双方の柄のピッチに大小の差をつけること。スーツが小柄(細かな柄)の場合は、ピッチの広い大柄のタイを合わせるのが望ましい。スーツとタイの柄同士が引き立てあって洒脱な印象となるからだ。
(右)SARTORIO/22万9000円(ストラスブルゴ) シャツ2万5000円/ヴァナコーレ(伊勢丹新宿店) タイ1万6000円/ホリデー&ブラウン(ザ ソブリンハウス) チーフ〈スタイリスト私物〉
左 : RINGJACKET / リングヂャケット
色みのあるタイで季節感を採り入れる
うっすら縞が走るヘリンボーンのチャコールグレースーツには、こんな大柄のレジメンタルタイがよく馴染む。配色にグリーンを含むタイを選んだのはグレーとの相性がよく、しかも春らしい装いになるから。ネイビー×白のタイでも収まりは良いが、時に堅すぎる印象を与えかねないのも事実。やはりここは明るめのグリーンが正解。
右 : SARTORIO / サルトリオ
配色は至極ベーシックタイの柄でひとヒネリ
マイクロチェックのグレースーツにアクセントを添える大柄のプリントタイ。タイを彩る手描き風の菱形模様が個性的で目を惹くが、Vゾーンの配色自体は主張を控えベーシックにまとめている。英国回帰を受けて人気のタブカラーシャツを選ぶことで、トレンドも意識した装いに。