トレンドを反映した見た目に加え、最近は作りそのものも高級インポート靴に肉迫…。限られた予算で最上の靴を求めたとき、セレクトショップ渾身のオリジナルこそ狙い目だ。

ビームス ディレクター
中村達也さん
本誌連載でもお馴染み。「最近のショップオリジナル靴は、インポートを履き慣れた人にこそおすすめ」
目の肥えた靴好きも唸る完成度の高い靴が揃う
セレクトショップのオリジナル靴の進化が著しい。昔は気軽に履ける日常靴というイメージだったが、今はインポートに比肩する上等な仕上がりのものが多数。ビームスの中村さんも次のように太鼓判を押す。
「生産工場の多くは国産ブランドの下請けをしていたところ。元々高い技術を有していましたが、我々の細かいオーダーに応えるなかでより技術が磨かれ、今やビスポークのような凝った仕立てを得意とするところも。また木型も随分と進化。昔は甲高幅広な足型を過剰に意識したポテッとした靴が多かったのですが、実は日本人の足は甲の立ち上がり部分が低く、踵は小さい。最近はどこもそれを考慮した木型を採用し、見た目も履き心地も向上しています。それらを考えると、実にコスパの高い存在といえます」(中村さん)
1. BEAMS F
ビームス F
今のスタンダードを目指す純国産キャップトウ

手作業での吊り込みによるくびれたウエスト、フィドルバック、ピッチトヒールと、随所のディテールが注文靴のよう。アッパーは仏の名門アノネイ社のボックスカーフ。
「完成まで2年を費やした力作です」(中村さん)。国内グッドイヤー製。
この2足もおすすめ

右:アノネイカーフ使用のダブルモンク。4万6000円。
左:チャールズ・F・ステッド社のカーフスエードを採用。4万5000円(以上ビームス ハウス 丸の内)
全て国内グッドイヤー製。