上品な外見と脱ぎやすさが活躍の理由
ショート丈のチェルシーブーツは、人前で靴を脱ぎ履きするシーンが多い日本の環境にとても適したタイプ。手持ちのスーツと馴染みがいいシンプルなプレーントウデザインを選ぶのがポイントだ。
スーツ14万円/リングヂャケット(リングヂャケットマイスター 青山店) シャツ3万4000円/ルイジ ボレッリ(バインド ピーアール) タイ2万4000円/リングヂャケット ナポリ(リングヂャケットマイスター 青山店) チーフ4000円/フェアファクス(フェアファクスコレクティブ) 鞄31万円/スウェイン・アドニー(ヴァルカナイズ・ロンドン)
英国の伝統的ブーツはじつは日本の宴席に最適
今日はお座敷のある高級和食店で大事な会食が…。そんな日に頭を悩ませるのが靴の選択だ。上品なドレス靴を履いて行きたいが、とくに接待する立場であればあまり脱ぎ履きに手間取りたくないはずだ。そこでお勧めなのがチェルシー(=サイドゴア)ブーツ。とくにショート丈タイプなら、踵が靴の中で引っかからず素早い脱ぎ履きができる。
カジュアルに感じるかもしれないが、この手は元々貴族のドレスブーツとして誕生。実際シンプルなプレーントウで細身の木型、そしてレザーソールを選べば、スーツとの相性もいい。一足あればお座敷スペシャルとして活躍してくれるだろう。
「チェルシーブーツ」の由来と蘊蓄
1.ヴィトリア女王のために作製
1830年代、英国ヴィクトリア女王のために作られたサイドのゴムで脱ぎ履きを容易にしたブーツが起源。女王の夫にして稀代の洒落者のアルバート公が正装時に着用し、紳士靴の新しいスタイルとして確立させた。
2.チェルシー地区で大ヒット
ロンドンのチェルシー地区の芸術家がこぞって着用。1960年代にはビートルズのメンバーなども愛用したことで世界的に有名に。
3.坂本龍馬も愛用
袴姿にブーツを履いた肖像写真が有名な坂本龍馬。それをよくよく観察すると、サイドにゴムを仕込んだチェルシーブーツだとわかる。
JOSEPH CHEANEY / ジョセフ チーニー
バランスの良い普遍的な木型を採用
1974年開発の名作木型6184に、しなやかできめ細かいスエードをのせた「フォークス」。丸みを帯びたセミスクエアトウや細身のフォルムにより、足元をエレガントに締めてくれる。グッドイヤー製法。レザーソール。
上品に見えるシンプルなプレーントウ
サイドゴアブーツで穴飾りが入ると、カントリー色が強い印象に。様々な傾向のスーツに合わせるなら、シンプルなプレーントウがいい。
脱ぎ履きに踵が引っかからない短丈
シャフトが長いと、踵が引っかかって脱ぎ履きにもたつくことも。お座敷ブーツはくるぶしがスレスレで隠れるくらいの丈がベストだ。
※上写真のブーツの踵の高さはサイズ42(英国の8サイズ)のものになります。
よりドレッシーに履くなら…
ゴムのカジュアル感を抑えたサイドエラスティックシューズも最適
側面のゴムの上がレザーで覆われた仕様のものも。ゴムが隠れ、カジュアルダウンを回避。
3万8000円/42ND ロイヤル ハイランド(42ND ロイヤル ハイランド 代官山店)
[MEN’S EX2018年02月号の記事を再構成]
撮影/平井敬治、宇田川 淳、植野 淳、村上 健、岡田ナツ子、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/POW-DER 文/竹石安宏、吉田 巌(十万馬力)、山田純貴、安岡将文、間中美希子、秦 大輔 撮影協力/モルテーニ東京