ERMENEGILDO ZEGNA
エルメネジルド ゼニアの「アゾラ」ローファー

“らしさ”を秘めたアイコニックな新作ローファー

　一見ごく定番のローファーながら、語り処に溢れているこちら、その名も「アゾラ」（伊語でボタンホールの意）のローファーだ。この靴の一番の魅力は、柔らかさ。職人の手作業によるリバース製法（詳細は下記）で、強力な屈曲性と、素足に履いてもなお素足感覚のようなフィット感を実現した。無論、革の上質さは、漂う艶やかさからでもわかるだろう。

これは今秋冬からクリエイティブ・ディレクターに就いたアレッサンドロ・サルトリ氏の意匠。美しいシルエットのスーツやジャケットを自由な発想で楽しむ、氏の提案の中においても、足元に軽快さと上品さを両立させるこの靴の存在は光る。

甲のサドルスリットが、実はゼニアのジャケットのボタンホール型であることにお気づきだろうか。作り、デザインの細部に至るまで、伝統と革新の”ゼニアの今”が凝縮された一足と言えるのだ。

熟練の職人技が生む若干280gの軽快さ

アッパーと内張りをレザーソールの内側に縫い付けて、それを手作業で裏返す。このグローブを作るような工程のリバース製法が新感覚の履き心地を実現する。

ご覧のとおり、レザーソールは驚くほど柔らかい。

［MEN’S EX 2017年8月号の記事を再構成］
撮影／若林武志　文／内田さやか（編集部）