今からでも遅くない。
心底熱中できるライフワークを持ち続ける
遊びだからこそ手を抜きたくない。道を究めるように熱中するほど、生きる喜びが満ちてくる。大人ならではの趣味に勤しむ通人たちのプライベートを紹介!
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スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.195km。総計220kmを超える距離を半日足らずで疾駆する。大岡さんがそんな過酷なアイアンマンレースの魅力に取りつかれたのは40歳を過ぎてから。
「20代の頃は欲しくても高くて手が届かなかったギアの数々が、40代の自分では買えそうでした。それならやってみようかなと」。
アイアンマンにとってギアは、単なる道具を超えて身体の一部のような存在だ。例えばバイクも、フレーム、サドル、タイヤなどを別々のメーカーのものを組み合わせ、自分の体型やスタイルに合わせて唯一無二にカスタマイズする。
「世界で活躍しているチャンピオンが使っているような、なるべくいいモデルを揃えるようにしています。高いものを買うことで、練習もがんばろうと思いますし、仕事へのモチベーションも湧いてきますからね(笑)」。
“大岡流”アイアンマンレースの3種の神器(写真3枚)
シーズンオフは週3〜4日、オンには毎日トレーニング。辛い練習でもくじけないのは、競技を通じて得た仲間の存在が大きい。
「レースは基本的に自分との戦いですが、練習は仲間たちと行うことが多い。ひとりじゃ続かないから、チーム競技に近い感覚ですね。試合もゴールした全員が勝者という考え方です。だからレースに出るたび、友だちが増えていく。それがいい」。
灼熱の日差し、あるいは極寒の海。そしてレッドゾーンぎりぎりの気力と体力。その先にあるのは生の充実感と友の祝福だ。大岡さんの走りにしばらくリタイヤはなさそうだ。
[MEN’S EX 2018年5月号の記事を再構成]
片桐史郎(TROLLEY)、若林武志、岡田ナツ子、長尾真志、村上 健、杉山節夫、大泉省吾、田中新一郎、八田政玄、武蔵俊介、久保田彩子 構成・文/伊澤一臣、宮嶋将良(POW-DER) 取材・文/安藤菜穂子、酒向充英 文/長崎義紹(paragraph)、中河由起恵(paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、池田保行(04)、礒村真介