「男子プロの要望で開発された新シャフト」フジクラシャフト スピーダー TR【プロ&アマの最新ゴルフクラブ試打レビュー vol.13】

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プロゴルフコーチの奥嶋誠昭氏と、ゴルフ大好きゴルフライターの鶴原弘高氏が最新の注目クラブやシャフトを試打計測。気になる性能を徹底レビュー!

FUJIKURA SPEEDER TR

中間から先端がしっかりしていて叩ける!
スピーダーらしく、しなり戻りが鋭い!

FUJIKURA SPEEDER TR

FUJIKURA SPEEDER TR


鶴原弘高さん ライター・ツルハラ  これまでこの連載ではドライバーを中心に試打してきましたが、今回は新製品のシャフトを試打したいと思います。ここ数年、ゴルファーの間でもシャフトへの注目度が高くなっていて、シャフトだけの試打会にも多くのゴルファーが押し寄せるほどになっているんですよ。

奥嶋誠昭さん 奥嶋プロ それって、とてもいいことだと思います。シャフトは、ゴルフクラブで本当に重要なパーツです。僕もいろんな計測器を使って試打するようになって、改めてシャフト選びの大切さを知るようになりました。同じヘッドでも、シャフトが違うだけで大きく結果が変わりますからね。

鶴原弘高さん ライター・ツルハラ そうなんですよね。しなり方が自分のスイングに合っているシャフトを使うと、ヘッドの芯でボールを打ちやすくなってミート率が高くなるし、ヘッドスピードも出る。自分のポテンシャルを最大限にいかせるようになるんですよね。逆に自分のスイングに合っていないしなり方をするシャフトを使うと、タイミングが合わなくてヘッドスピードが落ちるし、まともに当たらなかったりします。

奥嶋誠昭さん 奥嶋プロ ゴルフの腕前に関わらず、自分に合うしなり方をするシャフトは絶対にあります。ゴルファーには、ぜひそれを探し出してほしいですね。それはそうと、そこにあるのはフジクラのシャフトですね。「スピーダー エボリューション IV」と似てますが、カラーリングが少し違いますよね。

“叩ける黒いスピーダー”の3モデル。写真・上/PGAツアーきっての飛ばし屋であるダスティン・ジョンソンが長年愛用している「スピーダー エボリューション TS」。写真・中/エボリューションシリーズの4代目として発売中の「スピーダー エボリューション IV」。写真・下/新モデルとなる「スピーダー TR」


スピーダー TR
「スピーダー TR」は、マットブラックのシャフトの上にモデル名がゴールドとシルバーでマット塗装されている。テーラーメイドの新しいMシリーズのヘッドと、カラーリングがとても合う


鶴原弘高さん ライター・ツルハラ マットな塗装がカッコいいと思いません? これが新シャフトの「スピーダー TR」です。昨年度から男子ツアーではプロトタイプとして配布されていましたが、このたび市販モデルとなって登場しました。フジクラのシャフトは女子ツアーでは高い使用率を誇っているのですが、男子ツアーでは長年、グラファイトデザインの「ツアー AD」が使用率ナンバーワンなんです。そこで男子プロからの要望を聞き入れてフジクラが開発したのが、この「スピーダー TR」というわけ。試打シャフトのスペックは、60グラム台のフレックスS。さぁ、奥嶋プロから打ってみてください!

ゴルフクラブ試打
奥嶋プロがヘッドスピード約50m/sで試打


奥嶋誠昭さん 奥嶋プロ このシャフトは、かなりしっかりしていますね。ヘッドスピード50m/sでもフレックスSでいいぐらいです。トップから切り返したときに、中間よりも手元側が少しだけしなります。そして自分でしならせたぶんだけ、ハーフウェイダウンから「ズパーン!」と戻ってきます。

鶴原弘高さん ライター・ツルハラ 僕がヘッドスピード45m/sで振ってもハードに感じたシャフトでした。いかにも高品質なカーボン素材が使われていそうな剛性感があって、シャフト全体が「ピシッ」とした印象。そのおかげで素早くクラブを振り抜ける感覚があります。僕はもともと手元がしなるシャフトが好きなので、この「スピーダー TR」は切り返しのタイミングを取りやすいし、フィーリングもいいですね。

奥嶋誠昭さん 奥嶋プロ スピーダーのシリーズだけあって、シャフトに弾き感があるというか、しなり戻りがとにかく早い! 自分が思っているよりもヘッドが先走ってしまって、フック系の球筋になりましたよ。

鶴原弘高さん ライター・ツルハラ 先が動くようなシャフトじゃないのに、奥嶋プロが打つと球がつかまるというのは不思議。僕が振ると、それほど素早くしなり戻る感覚はないし、弾道もニュートラルでした。スピーディーに振り抜けるシャフトだな、というぐらいです(笑)

ゴルフクラブ試打
アマチュア代表、ツルハラがヘッドスピード約45m/sで試打


奥嶋誠昭さん 奥嶋プロ そのあたりは、ヘッドスピードの違いというよりも、スイングタイプの違いでしょう。ヘッドスピードを40m/sに抑えて振っても、僕はやっぱりドロー系の球筋になりました。

ゴルフクラブ試打
奥嶋プロがヘッドスピード約40m/sで試打


鶴原弘高さん ライター・ツルハラ 「スピーダー TR」はしっかり感があって、叩いて飛ばせるスピーダーと言えますが、それより先に”叩ける”というキャッチコピーで発売されていた「スピーダー エボリューション IV」と比べると、どうですか?

奥嶋誠昭さん奥嶋プロ 僕の場合は、「スピーダー エボリューション IV」のほうが好みですね。しなり戻りのスピードが自分のインパクトポイントと合っていて、フェースがスクエアな状態で当てやすいです。弾道も安定しますね。

鶴原弘高さん ライター・ツルハラ 「スピーダー TR」と比べると、「スピーダー エボリューション IV」のほうがしなりを感じやすいし、中間部分がしなるクセのない万人向けという印象です。PGAツアーの飛ばし屋が長年使っている「スピーダー エボリューション TS」はどうです? すでにカタログ落ちした過去モデルなんですが、剛性感の強い「スピーダー TR」と打ち比べると、こちらは少々もっさりした感覚がありました。悪く言うと、ちょっとダルい感じがしました。

奥嶋誠昭さん奥嶋プロ 「スピーダー TS」のほうは、手元を中心に全長がしなりすぎて、ヘッドがどこかに行ってしまう感覚になりました。ヘッドが遅れてくるので、左へのミスを絶対に避けたい人にはいいかも知れません。「スピーダー エボリューション TS」と「スピーダー TR」は、同じ中元調子に分類されるシャフトですが、弾き感やしなり戻りの早さが全然違います。一般的なゴルファーには新しい「スピーダー TR」のほうが好まれそうですね。

試打した製品の情報はコチラ
Fujikura公式サイト

奥嶋誠昭さん 奥嶋誠昭/おくしま・ともあき
JGTOツアープレーヤー資格を持ち、プロコーチとしても活躍中。横浜市都筑区にあるヒルトップ横浜クラブ内にある「ノビテック・ゴルフスタジオ」でヘッドコーチを務め、弾道計測器フライトスコープ、3DモーションキャプチャーGEARSなどの最新機器を使ったレッスンをアマチュアにも展開中。
http://www.nobby-tech.co.jp/swinggear/

鶴原弘高さん 鶴原弘高/つるはら・ひろたか
雑誌やウェブで多くの記事を手掛けるゴルフ専業のライター。もちろん自身も大のゴルフ好きで、最新ギアも大好き。オフィシャルハンデは7。ゴルフギア情報を発信する会員制サイト「3up CLUB」のキャスターも務めている。
https://3up.club



文/鶴原弘高

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VOL.341

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