マッチョ気取りよりも、等身大の心地よさこそが求められる現代。内なるホンネに耳を澄ませ、新しいことを始めると何が変わるのか? その実感を、M.E.世代の実例から探った。
始めたこと:理想の空間づくり
こう変わった!→「無理をしない、スローライフの良さに目覚めました」
装丁家 坂川栄治さん
1952年北海道生まれ。数々のベストセラーのデザインを手がけるほか、作家、写真家としても活躍している。
数々のベストセラーを生み出した坂川さん。手がけた約6000冊の本をまとめて置くために、森の中に書庫を建てることにした。場所は長野県にある別荘の庭。大好きな北欧の家をイメージしたとか。
「最近は物を整理することがいいという風潮がありますが、捨ててしまうとその人が持っていた自分らしさまでなくなってしまう。それより大切に残すことをもっと考えてもいいんじゃないかな」
ここで過ごす週末は、基本的にデジタルはオフ。好きなものに囲まれ、周囲の人々と程よい距離感を保ちながらの”ゆるい”アナログ生活を楽しんでいる。
「便利ではない、”少し前の日本”みたいな暮らしというのが心地いいですね」
[MEN’S EX 2018年2月号の記事を再構成]
文/酒向充英