メンズファッション業界にはお洒落なだけでなく、とても個性的な生き方をしている人がたくさんいる。この連載では、いま注目の業界人のファッション履歴を通じ、各人の人間的な魅力に迫ってみたい。
第十回 日本橋三越本店 紳士オーダーバイヤー 鏡 陽介さん
Profile
鏡 陽介さん/日本橋三越本店 紳士オーダーバイヤー
1979年、東京生まれ。幼少期を英国、アメリカで過ごす。中学校時代にはラグビー、高校・大学時代は柔道部に所属していた。2002年に株式会社伊勢丹(現在の株式会社三越伊勢丹)に入社し、本配属以降はメンズウェア分野一筋。6年ほどでバイヤーに昇格し、2018年4月からは日本橋三越本店に異動し、オーダーメイド分野を中心に活躍中。最近は健康の為に、毎朝10kmのラン二ングを欠かさないスポーツマンである。
インターナショナルな幼少期を過ごす
太めのクラシックなメガネが印象的な鏡 陽介さん。温和な語り口や雰囲気とは裏腹に、学生時代からラグビー、柔道に打ち込んだ文武両道の雄々しい人物である。
鏡さんによると、インターナショナルなお父さんの転勤に伴い、2歳〜6歳を英国・ロンドン、9歳〜12歳をアメリカ・シカゴで過ごしたそうだ。
「子どものころは外で遊びまわっているタイプでした。海外に住んでいたときは、言語がわからないと思いながらも、それをネガティブに捉えていなかったですね」。
幼少期のファッションについて、思い出を尋ねると、お兄さんは与えられたものを何も言わず受け入れるのに、鏡さんは「これは着たくない!」と自己主張が強かったとのこと。 「母からは『面倒くさい子どもだったわよ』なんて言われました(笑)。私の息子が同じで『この服にこの靴は合わない』と主張するんです。親の私がそうだったからかな」と鏡さん。