ポルシェ史上最強のハイブリッドカーで、ドシャ降り&夜のマレーシア爆走体験してきた

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“モータースポーツ成分たっぷり”のエレクトリックパワー

バディ(相棒)は、偶然居合わせたお隣シンガポールからやってきたという優しそうなトーマスだ。二人で緊張した面持ちでパナメーラに乗り込む。なぜ緊張するかって? それはE-Performance史上最強にして、”最強のパナメーラ”と謳うターボS E ハイブリッドであるからだ。最高出力550psの4?V8ツインターボエンジンに136psモーターの組み合わせ。そのシステム総合出力は680ps&850Nm! それだけでも身震いをするスペックなのに、まさかの大雨というバッドコンディション。何かあったら? そう、ただでは済まされまい。

いよいよパナメーラ ターボ S Eハイブリッドを試乗!(写真7枚)

ポルシェのPHEVは、イグニッション「ON」で通常は電気のみで走る「E-POWER」がデフォルトとなる。ギアシフトを「D」レンジにして、アクセルペダルを強く踏むと静かーな、そして変速をしながらの電気の加速に一瞬フワッと内臓が浮くような感覚だった。一方、ステアリングにある走行モードのダイヤルセレクトを「SPORT PLUS」に切り替えると、すぐさま様子が豹変。エンジンが爆発し、けたたましいエグゾーストサウンドがうねりを上げる。

さらにアクセルペダルを踏み込むと爆発的なV8ツインターボによる怒濤の加速に、電気モーターアシスト(!)のさらなる加速の追い打ちが襲いかかる。直線加速だけでもインストラクターが駆る先導車の911ターボに追いつけそうなくらい速い。それもそのはず、0→100km/h加速は3.4秒。最高速310km/hという数値は先代「911ターボ」にも匹敵する。とにかく速く、安定しているのだ。

もちろん、筆者はレーサーではないからコーナーリングでその差はみるみる開いていくのだが、それでもパナメーラは軽快そのもの。2t弱という体躯の重さを感じさせないハンドリングマシンだった。 何よりも驚いたのはドシャ降りの大雨でも不安なく攻めていけること。AWDゆえの安心感に加え、コーナーリングへのオーバースピードも、遅れ気味なブレーキングもPTM(ポルシェ トラクションマネージメント)や安全装置でもあるPSM(同スタビリティ マネージメント)など、さまざまな電子制御デバイスがごく自然なフィーリングでカバーしてくれる。雨なのにこんな走り方ができるのかと驚いたくらいだ。

気づけば、緊張はすっかり興奮へと移り変わっていた。そしてトーマスにハンドルを譲ると、これでもかというフル加速にフルブレーキ。見た目はとても温厚なのに……「攻めのトーマス」にもしっかり応えるパナメーラ、さすがだ。走行後はトーマス&クルマ共にヒートダウン。走行モードを「E-CHARGE」に切り替える。すると自発的に電気をチャージしていく。走行時に減っていたバッテリー残量がすぐさま充電されていく様子も面白い。これなら、外部給電機を自宅やオフィスに設けなくてなくても、日常使いができるなと思った。

最後のエクスペリエンス。といっても帰るだけなのだけれども、現地インストラクターが運転するパナメーラの後席に。疲れた身体には、リクライニングできる後席はありがたい。行きの渋滞が嘘かのような快走路で、前へ前へと隊列を組んで走っていく。エアサスペンションの設定は市街地では3段階あるうちの、一番柔らかなコンフォートに、高速路では中段のスポーツにしてもらった。道路のつなぎ目の挙動は、アタリが柔らかく至極快適。さらにホールド性に優れたスポーツシートのおかげで、およそ50kmの移動がとてもラクだった。

セパンサーキットで出迎えてくれた「E-Performance」たち。918スパイダーを筆頭に、現行モデルではカイエンやパナメーラ、そしてパナメーラ スポーツツーリスモのトップレンジに、このE-Performanceを位置づけている。

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ご覧のとおりの大雨。先行車の水しぶきで前が見えない状態。それなのに安心感があったパナメーラ。すごい!

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コースにはブレーキポイントやステアリングを切るタイミングをパイロンで示してくれるから、初めてのサーキットでも走れてしまう。

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電気だけで走る走行モード「E-POWER」。カタログ上では航続距離49km、140km/hまで電気だけで加速することができるという。

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試乗の舞台となった全長5kmの国際サーキット、セパンインターナショナルサーキット。テクニカルなコースレイアウトで面白い!

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カイエン S Eハイブリッドでのスラローム体験。EVモードのみでのアクセルワークだけで走るという条件のもと、電気の自然なフィーリングを体感。スラロームの切り返しは後輪操舵の搭載で背の高さを感じさせないものだった!

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918スパイダーの同乗体験では、今までに体感したことのない260km/hからの急制動! 「宇宙一のブレーキ」とはこれのこと。一瞬のことでまさに異次元だった。

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