ポルトガル南部のファロで開催されたジャガーI-PACEの国際試乗会は、いつものジャガーの流儀で2日間に渡って何百kmも、お腹いっぱいになるほどの走行時間が設けられていた。それでも、容量90kWのリチウムイオンバッテリーを積み、最大航続距離は480kmに達するI-PACEは、電欠の心配など一切必要とすることなく、心ゆくまで走りを楽しませてくれたのだ。
そこから感じたのはジャガーの、自動車メーカーとしてのプライドである。例えばこのI-PACE、開発には多くの時間と手間が割かれている。200台以上のプロトタイプが作られ、テスト車の走行距離は延べ240万km。リグテストには1万1千時間以上がかけられたという。EVであろうと自動車メーカーの本来の仕事とは、こういうものだろう。それを改めて実感した今回の試乗だったのである。