自動車での旅に欠かせないもの。それは魅力的な”目的地”である。MEN’S EXはその旅の新たな目的地を大人のアクティビティとした。ジャガー初のSUV、Fペイスに乗ってホーストレッキングが楽しめるという三浦半島の海岸線を目指した。


モータージャーナリスト
岡崎五朗
本誌お馴染みのモータージャーナリスト。すでに次回以降のアクティビティ選びで頭を悩ませている。
相棒と目指す遊び目的のドライブ
毎月、絶景を求めて旅をしていた本誌連載企画だが、また新たな刺激を求めて新しい旅をスタートさせることにした。旅の目的地はずばり「大人が楽しめるアクティビティ」である。当たり前だがクルマを所有する喜びのひとつは、どんな場所でも自由に、快適に、ドアツードアで旅することができる点にある。しかも日本には素晴らしい四季があり、それに合わせて様々な遊びが用意されている。各種マリンスポーツや水辺の遊び、大自然と戯れるトレッキング、冬になればウインタースポーツ……予定を立てるだけでも楽しい気分になる。
今月は冬と春の狭間であり、いろいろアタマを悩ませたが、前から興味があったホーストレッキングを楽しむことにした。探してみると北は北海道から南は沖縄まで、とにかく色々な場所で楽しめるこの遊び。東京からクルマでいける場所で絞っていくと良さそうなファームが見つかった。どうやら三浦海岸の砂浜で馬を走らせることができるようだ。都内からなら1時間もあれば到着できる場所でこんな一風変わった遊びができるとは。「そんな場所あったかな?」と少し心配になりつつも、早朝の三浦海岸へ向けて走り始めた。
今回、旅の相棒に選んだのはジャガーブランド初のSUVであるFペイス。高度な4輪駆動システムと215mmという余裕の最低地上高はあらゆる天候や路面状況に対し常にタフな走破性を発揮する。クルマは砂地に乗り入れると案外あっけなくスタックしてしまうものだが、Fペイスならその心配は少ない。とはいえ、Fペイスの最大の持ち味は高いオンロード性能にある。エクステリアの随所に同社のスポーツカーであるFタイプを連想させるデザインが与えられているが、走ってみてもFペイスは極めてスポーティだ。着座位置が高いことを除けば、まるでスポーツカーを操っているような気分だ。

実際にステアリングを握れば「もっともスポーティなSUVをつくる」というジャガーの狙いが単なる謳い文句で終わっていないことを体感できるはずだ。それでいて快適性の作り込みにも妥協はない。静粛性、乗り心地、直進安定性という、ロングドライブの快適性を左右する3大要素でも、このジャガーFペイスはきっちり高得点をマークしてみせる。ちなみに今回のドライブで乗ったのは2ℓ4気筒ディーゼルだった。最高出力は180psと控えめだが、ディーゼルらしく実用域は十分に力強い。ただし胸のすくような吹け上がりと豪快な加速を味わいたいなら、断然おすすめするのは380psを発生する3?V6スーパーチャージャーモデルを選ぶのがいいだろう。