『MEN’S EX特別編集 最高の靴選び』では、人気ブランドの「最高の3足」をピックアップ。履く時にテンションがあがる2026年“今”の最高の靴選びを真剣に考えてみたい。
一枚革で魅せる三陽山長『零(ゼロ)』の革新
職人技の限界に挑むかつてない仕立て
三陽山長の靴は今なお、職人の手仕事をたっぷりと費やして仕立てられている。浅草のファクトリーに受け継がれる靴作りは、海外の一流ブランドと比較してもなんら遜色ないほどだ。そんなニッポン職人のポテンシャルを限界まで引き出したのが「零」シリーズ。三陽山長が2025年に発表した最上級シリーズである。
その名の由来は、「ゼロシーム」と名付けられた製法。アッパーを完全な一枚革で作り、どこにも継ぎ目を設けずに複雑な靴の造形を描き出す驚異の仕立てだ。オールハンドメイドのビスポークシューメーカーなどでは時折見かけるが、既製靴ではほぼ前例なし。それを常設のコレクションで展開するというのだから、相当に挑戦的である。現在は4種類のデザインを展開しているが、すべてアッパーの継ぎ目はゼロ。ベーシックなようでよく見ると特別、というツウな趣向ゆえ、ディープな靴好き向けかと思いきや、店頭では幅広い層に響いているという。実物の靴を手に取り、ぐるりと全体を眺めると、ゼロシームならではの流麗さに心を奪われてしまうのだ。零シリーズは今後もデザインを拡充予定。ニッポン靴の最高峰として注目されたし。
三陽山長『零』シリーズ4部作!
ゼロシーム仕立ての魅力を端的に表すホールカット。通常はヒールや土踏まず付近などに継ぎ目が入るが、こちらは正真正銘、完全な一枚仕立てになっている。33万円
ストレートチップに見えるがこちらもホールカット。ヴァンプやトウキャップのラインは継ぎ目ではなく、ステッチで“描かれた”ものだ。まるで騙し絵のような遊び心が光る。33万円
ゼロシームのホールカットでスリッポンを仕立て、タッセル飾りを配したモデル。オペラパンプスを思わせるエレガンスを宿した一足だ。もちろんカジュアルにも好相性。33万円
サイドレースのデザインに色気が薫る一足。一般的には外側にレースステイを設けるが、こちらは内側に配すことでホールカットの流麗なフォルムを引き立てている。33万円





