『MEN’S EX特別編集 最高の靴選び』では、人気ブランドの「最高の3足」をピックアップ。履く時にテンションがあがる2026年“今”の最高の靴選びを真剣に考えてみたい。
【Interview】
ジュゼッペ・サントーニ氏に聞く
伝統を磨く、革新を履くサントーニの現在地
2025年に創業50周年を迎え、次の半世紀へ歩み始めたサントーニ。職人の知識と経験、手仕事への執念は揺るがない。だが、時代が変われば靴もまた進化する。伝統をいかに磨き、革新へとつなげていくのか。エグゼクティブ・プレジデント兼 会長のジュゼッペ氏に、その現在地を聞いた。
「テクノロジーは活用しても、プロダクトの本質は常に“人”にあるべきです」
1968年生まれ。創業者の父、アンドレア・サントーニの遺志を継ぎ、1991年に22歳でCEOに就任。以降、ブランドの世界展開を牽引。イタリア靴を代表する存在へと成長させた。
サントーニのドレス靴が“最高峰”たる理由
M.E. サントーニのドレスシューズならではの価値は、どこにあるとお考えですか?
「サントーニとは、人、クラフツマンシップ、そして時間が紡いできた物語です。美しい靴はさまざまな要素が重なって生まれますが、その違いを生み出すのは、一つひとつの工程を支える職人の知識と経験です。彼らは長い年月をかけて、レザーの特性や靴の構造、色彩、仕上げについて学び、素材の状態を見極めながら細かな判断を重ねています。『ヴェラトゥーラ』もその象徴で、同じ工程を経ても、まったく同じ表情の一足は二つと生まれません。一足一足に、職人の手仕事と経験が映し出される。そこにこそ、サントーニの靴を特別なものにする理由があります」
M.E. 新しい一足をつくるとき、何を起点に考えるのでしょうか?
「決まった出発点があるわけではありません。デザインのアイデアから始まることもあれば、素材や新しい製法、人々の暮らし方の変化がきっかけになることもあります。ただ、根底には常に『この靴はサントーニに何をもたらすことができるのか』という問いがあります。そこからデザイン、履き心地、構造、素材を一体として練り上げていきます。美しいだけでは十分ではありません。快適で、優れた構造を持ち、つくることに意味があるものでなければならないのです。テクノロジーは活用しても、プロダクトの本質は常に“人”にあるべきだと考えています」
M.E. その考え方を象徴するのが「EASY」でしょうか?
「スニーカーの普及によって、日常の靴に求められる快適性や機能性の水準は大きく高まりました。しかし、それはクラシックシューズの時代が終わったということではありません。変わったのは、消費者の価値観やニーズです。『EASY』は、サントーニらしさを失わずにその変化へ応えるために生まれました。私たちが目指したのは、ドレスシューズのように見えるスニーカーではなく、クラシックシューズそのものを現代のライフスタイルに合わせて再構築すること。軽さや柔軟性、快適性を高めながら、まず目に映るのはエレガンスであるべきです。テクノロジーは前面に出るのではなく、履いたときに初めて感じられる。それが理想です」
M.E. サントーニにとって「伝統を受け継ぐ」とは、どういうことでしょう?
「最も大切なのは“知識”です。クラフツマンシップは本を読むだけでは身につきません。時間をかけて観察し、実践し、積み重ねていくものです。だから2023年に設立した『Accademia dell’ Eccellenza』でも、単に革を裁断したり縫ったりする技術だけを教えているのではありません。なぜその作業をするのか、その意味まで理解してほしい。さらに、私たちが過去にしてきたことをそのまま再現するだけでも足りません。背景にある原理や考え方を理解し、その先へ発展させる好奇心が必要です。伝統とは、立ち止まり続けることではありません。自分たちがどこから来たのかを知り、次にどこへ向かうのかを自ら決めていくことなのです」
M.E. 最後に、ジュゼッペさんご自身にとって、靴とはどんな存在でしょうか?
「とてもパーソナルな存在です。個人的には、仕事ではレースアップやダブルバックル、休日はローファーやスニーカーを選ぶことが多いですが、実際には、その日の予定よりも気分に合わせて選んでいます。私が好むのは、エレガントでありながら主張しすぎない靴ですね。『Less is more』という考え方を大切にしていて、過度なデザインではなく、品質そのものが語る靴であってほしい。靴は人生のさまざまな時間をともに歩き、自分に合う一足に出会えれば、やがて自分の一部になっていきます。一足の靴を買うことは、単に物を手に入れることではありません。喜びや自信、そして日常にほんの少しの幸せをもたらしてくれるものを選ぶことだと思っています」
問い合わせ先
ストラスブルゴ カスタマーセンター
TEL:0120-383-563
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