価格でも、速さでもない
エグゼクティブがラグジュアリーカーを選ぶ20の理由
高価であること。速いこと。豪華であること。もちろん、それもラグジュアリーカーを形づくる要素だ。
けれど、一台を選ぶ理由はそれだけではない。受け継がれてきた歴史、遠くまで走りたくなる心地よさ、自分だけのために仕立てる愉しみ、名車に宿る希少性や来歴。そして、そのクルマだからこそ出会える特別な体験や文化まで。何を買うかではなく、何を理由に選ぶのか。
エグゼクティブのための、いまのラグジュアリーカー選びを20の視点から考える。
Contents
【I】HERITAGE 受け継がれてきた価値から選ぶ
【II】CHOICE 自分の価値観で選ぶ
【III】EXPERIENCE クルマの先にある体験
【IV】ONE-OFF ないものなら、つくる
【V】RESTOMOD & COLLECTING 過去の価値を、いまどう選ぶか
【I】HERITAGE 受け継がれてきた価値から選ぶ
(1)歴史が、価値をつくる
高級車に求められる価値は、時代とともに変わってきた。そのたびに新しい基準を示し、安全性や快適性、先進性を積み重ねてきたのがSクラスだ。長い時間をかけて築かれた信頼と存在感は、スペックだけでは生まれない。歴史そのものが、一台を選ぶ理由になる。
Mercedes-Benz S-Class
長く選ばれるには、理由がある
長く選ばれてきたものには、やはり理由がある。Sクラスもそのひとつだ。メルセデス・ベンツの最上級セダンとして、時代ごとに求められる安全性や快適性、先進性を取り込みながら、まさに高級車のあり方そのものを更新してきた。
1972年に登場したW116で「Sクラス」の名が正式に採用されて以降も、その姿勢は変わらない。後席で寛ぐための上質さ、自らハンドルを握ったときも余計な緊張を感じさせない。ショーファードリブンにも、オーナードリブンにも応える懐の深さが、このクルマの品格をつくっている。
またSクラスは、新しい技術を単に誇示するクルマでもない。安全や快適性に関わる機能をいち早く採り入れながら、それを自然に使えるものへと整えてきた。先進性を、日常の心地よさへ変える。その積み重ねが、やがて高級車の基準になっていった。
さらに大切なのは、数字や装備表だけでは見えてこない安心感だろう。長距離を移動しても疲れにくいこと。大切な人を乗せたときに不安を感じさせないこと。そして、どんな場へ乗りつけても自然に馴染むこと。華やかさだけではなく、使うほどに実感できる信頼こそが、Sクラスの強さだ。
そして新型もまた、歴史を守るためだけの存在ではない。受け継いできた価値を、いまの技術と感性で更新する。その繰り返しこそがSクラスの歴史であり、長く選ばれ続ける理由なのだ。最新であること以上に、その先にある安心や信頼まで含めて選べること。エグゼクティブにとって、それは十分に大きな価値になる。
[MEN’S EX Autumn 2026の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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