
クーペ風セダンかスタイリッシュワゴンか
実際は、ファストバックのアルテオンでも荷物をたくさん積むことができる。もちろんシューティングブレークともなればそれ以上の積載容量を誇るわけだが、実用上の差はさほどない(後席を立てたままではほぼ同じ、倒したとしても80ℓほど増えるだけ。もっと積みたければステーションワゴンのパサートヴァリアントをどうぞ)。スタイリングとしてクーペ風セダンがいいか、シューティングブレークがいいか、というのがアルテオンを選ぶ際の判断の分かれ目、というわけだ。
実を言うと、カタチだけで決めていい理由はその走りにもあった。いかにもVWらしいガッチリと安定した走りそのものはVWツウが昔から愛してやまないパサート譲りでもあり、そのうえアルテオン同士でもクーペ風セダンとシューティングブレークとでは走りの質感そのものはあまり変わらないからだ。
パサートの最上級モデルと同等ながらさらにハイスペックなパワートレーンを積んでいる。2ℓの直4ターボエンジンは272PSの最高出力を発揮、わずか2000回転から350N・mもの最大トルクを発する。これに7速デュアルクラッチミッションと4WDを組み合わせた。動力パフォーマンス的には十二分と言っていい。
実際、その性能と動的質感は欧州プレミアムクラスに遜色ないものだった。同じグループのアウディと比べても引けをとらないレベルと言えよう。特にグランドツーリング性に優れている。荷物をたくさん積み込めるモデルはヨーロッパにおいていまだにバカンスカーとして重宝される存在で、それゆえGT性能に優れたモデルが多い。4WDであるアルテオンシューティングブレークは(もちろんファストバックであっても)、距離の長短や路面環境の変化をさほど気にせず楽しむことのできるモデルとして、もっと注目されていいモデルだろう。
今月の1台 VOLKSWAGEN ARTEON(フォルクスワーゲン アルテオン)(画像4枚)

車両価格 576万4000円〜
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フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL 0120-993-199
[MEN’S EX Spring 2022の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み