映画『キングスマン』から学ぶ、英国の品格スタイルとは?

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衣装にお国柄が表れた英・米・仏・伊の名作映画から、我々の“永遠”の範となるスーツ&ジャケットのスタイリングをご紹介。併せて、人気の敏腕スタイリストがそれをより今の日本人向けにアレンジした“最旬”の着こなしを指南する。装いの幅を広げたい紳士は必読!

【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #04
映画から学ぶ“永遠”とスタイリストから学ぶ“最旬”
『キングスマン』

キングスマン

『キングスマン』

表向きは高級テーラーだが、じつはどこの国にも属さず難事件やテロを解決する完全独立性の国際諜報機関「キングスマン」。亡き父の後を継ぎその一員となる道を進んだ青年エグジー(タロン・エガートン)の成長を英国らしいユーモアを交えて描いた痛快アクションムービーだ。ベテランスパイ役のコリン・ファースをはじめ役者たちのスタイリッシュなスーツ姿は一見の価値あり。2015年公開。

【映画から学ぶ“永遠”】
紳士性溢れる「グレーストライプダブル」

キングスマン
写真:PictureLux/アフロ

「ブローグではなくオックスフォード」。そんな合言葉を持つ謎の国際諜報機関という設定からして、ドレス好きの心は鷲掴みされたはずだ。

サヴィル・ロウの老舗テーラーを隠れ蓑とするだけに、敏腕エージェント役のコリン・ファースは常にクラシックなスーツを寸分の隙なく纏う。「スーツは紳士の鎧」という台詞そのままに、超ド派手な戦闘シーンも全てスーツだ。

ここでフォーカスしたダブルスーツは、主人公の青年をスカウトに赴く場面で着用したもの。構築的な肩と量感溢れる胸、絞ったウエストがもたらす美しいドレープなど、まさにブリティッシュスーツの真髄的一着であり、ある意味007よりずっと英国の伝統的紳士像を具現化している。

控えめながらも成熟した男の品と格が濃厚に立ち上る、全ての正統派がお手本とすべきスタイルがここにある。

【スタイリストから学ぶ日本的品格の“最旬”】
「赤差しグレーチェックダブル」を「ブラックタイ」で締める

レッドウインドウペーン
スーツ25万5000円〈オーダー価格/納期約5週間〉/ヘンリープール(日本橋三越本店) シャツ3万3000円/ターンブル&アッサー(ヴァルカナイズ・ロンドン)タイ1万7000円/ニッキー、靴9万9000円/ジョージ クレバリー(以上エストネーション) チーフ〈スタイリスト私物〉

劇中で纏っていたのはグレーストライプのダブルだが、大人の余裕や色気を演出したいのならチェック柄もおすすめと四方氏。

そこで選んだのは赤のペーンが印象的なヘンリープールの一着。

「グレーやネイビーといったベーシックな色味にこういう綺麗な色をさりげなく配するのも英国ならでは。構築的な仕立ての堅さが中和され、華奢な日本人への馴染みもいいと思います。 華美に感じるかもしれませんが、流行りの黒ベースのタイで引き締めれば品格も保て、むしろ今らしいエレガンスも薫ってきます」(四方さん)。

Styling Point

【レッドウインドウペーン】
グレーベースのグレンチェックに赤のペーンを載せた生地。構築的な仕立てのダブルスーツを柔らかに見せ、大人の男の色気も演出。

【ブラックタイ】
こういう柄の入ったスーツをシックに整えたいときには、黒ベースのタイが使える。引き算的な胸元表現はクラシックをモダンに見せる効能も。

【レイジーマンシューズ】
足元はあえてサイドエラスティックのレイジーマンシューズを選択。クラシックな英国スタイルに調和しながら、今らしい軽快感も醸し出せる。

    四方 章敬さんスタイリスト 四方 章敬さん
    1982年生まれ。武内雅英氏に師事した後、独立。本誌をはじめ多くのメンズファッション誌で活躍する実力者だ。控えめでエレガントなスタイリングが信条。


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※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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