拝見! エグゼクティブの仕事部屋
よく「部屋のありさまは、その人の頭の中の状態を表す」などと言ったりする。働く場所、スタイルも多様化する昨今、ビジネスエグゼクティブ達はどんな空間で仕事をしているのか。彼らの仕事場所や道具に目を向けることで、仕事へのこだわりや哲学が見えてきた。
“一つ一つ、語りたくなる物がいっぱいです”
[NTTコミュニケーションズ/代表取締役社長 庄司哲也さん]
Profile
東京大学卒業後、電電公社に入社。ニューヨーク大学に留学しMBAを取得、ドイツ現地法人では副社長を務めた。2015年より現職。スポーツ全般を愛好。
最新のICTを用いて次世代の働き方を提案する同社。オフィスは、部署の垣根を越えた交流やイノベーションを実現する設計がなされている。社員が集うカフェテリアや、キャンプ気分で寝転びながら使えるミーティングルームなどにふらりと赴く一方、庄司さんが多くの時間を過ごすのが、個室の執務室である。
「東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、全社的にリモートワークを推進してきました。私自身、この執務室から国内や海外にいるメンバーとリモートでのWeb会議が欠かせません」。
室内には、会議テーブルや大画面モニターも備えられている。「最近は、週50件ほどのWeb会議があり、社内や自宅にいる社員と時間のロスなくやりとりできる。役員会議もWebを使うので、この部屋に大人数が集まることは、実はほぼありません。ひとり考え事をするときなど、窓外の風景を見てリフレッシュしています」。
シンプルな空間にどこか活気をもたらしているのが、スポーツウェアやラグビーボールの数々。「以前、F1のレーシングチームのメカニカルデータを分析するサポートをしていました。F1に限らず、リアルタイムのデータ分析から戦略を練ることが求められるスポーツは、IoTと親和性が高いのです」。
机の上にふと目をやると、クリスタルの招き猫が見守っている。「昨年の創業20周年に贈られたもので、人の縁や新しい時代を招いてくれると言われる。そういう縁起の良さも大事にしています」。
それぞれに確かな存在感を持つアイテムが揃う執務室。時代の流れを読み柔軟性を持ってビジネスに向かう、部屋の主の仕事スタイルがそこには表れている。