日々のなかにあって、大事にしたいと思うもの。それは自分にとっての王道だ。尊ぶべきそれは、日常の”そこ”にふと現れる。貴方に至福を与える王道をいざ考察しよう。
華まで見せるセンスの良い正統
「Nicolai BergmannのフラワーボックスとJohn LobbのCITY Ⅱ」
花を選ぶセンスと、靴を選ぶセンス。実はとても似ている部分がある。それは、その人の人となりが垣間見える、自己表現であるということだ。ビジネスシーンにおいても、いい靴を履いているとその人の品格が無言の内に伝わるという。
たとえば、自分が信頼に足る人間であると証明するのに絶好の靴が、ジョンロブのCITY Ⅱだ。スーツに合わせるもっとも正統な靴、内羽根ストレートチップの最高峰。
スーツにタッセルローファーが市民権を得た今、正統スーツにはストレートチップをというルールも、絶対とは言い難い。だがCITY Ⅱには、木型や製造工程、ブランドのストーリーと、選ばれし存在意義がある。究極に美しい基本靴。ここには紛れもなくそれを選んだあなたの見識が表れるのだ。
対して花を選ぶという行為。花というのは、贈り物のなかでももっともパーソナルな思いを込められるものではないかと考える。高額な装飾品や高級レストランに比べれば価格は安い。だからこそ、それをどうアレンジするか、自分に託される可能性は大きい。
仮に一輪の花を贈ったとしても、相手はその一輪から「自分はこんなイメージを持たれているのか」と感じるだろう。似合う色や花の種類など、相手をイメージしたことが、即ち自分はこういう考えの者であると伝えることになる。
CITY Ⅱで足元を正しく固め、でもあえてさり気なくブラウンのスーツでハズす。そして相手をハッとさせるニコライ バーグマンのカラフルなフラワーボックスを選ぶ。「正統」に自分の色気を足せること。それこそが目指すべき理想のバランスだ。
華やぎと正統を両立できるか
芸術性の高いフラワーボックスで人気の「ニコライ バーグマン」。フラワーアーティスト、ニコライ バーグマン氏が、花を選ぶ秘訣を教えてくれた。
「もし相手の趣味がわからなければ、自分自身が好きなものを選んでみてください。僕が好きな花をプレゼントしたい、と伝えれば、相手も喜んでくれるでしょう。それと、なんでもない時にこそ贈って欲しいですね」。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年7・8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)