ニッポンを代表する企業はビジネスカジュアルをどう捉えているのか? 活躍するビジネスマンの目線をキャッチ!
「ビジネスにも生きる発想力の向上を、脱スーツに期待する」
伊藤忠商事 会長CEO 岡藤正広さん
1949年生まれ。東京大学経済学部卒業後、’74年に伊藤忠商事に入社。今年4月より会長CEOに就任。脱スーツ・デーの発案者だ。
会長自らデニム通勤
上写真/今日はジーンズに合わせてスニーカーも時計もベルトもブルー。麻のジャケットで涼しさを意識し、ピンクのストライプシャツで明るさをプラスしました。(※右写真は普段のスーツスタイル)
相手を考えながら自分らしさを「見つけられる」
約1年前に毎週金曜日の「脱スーツ・デー」を始めたときから、会社では規制を設けずに進めています。社員が自由な発想で試行錯誤し、お客様の反応やTPOをわきまえて、もしおかしかったら次は変える。そこで何が成功して何が失敗したかを見極める。要は自分で考えましょう、ということです。相手がスーツで来るというならスーツで行くべきかもしれないし、カジュアルな日に試しにダメージジーンズに挑戦して、恥をかいたならやめればいいし、受け入れられたならまたその次がある。服装を自分で見つけていくことです。そして新しい発想を生み出して仕事のマンネリを打破する。外への、お客様へのアンテナを張るということが、ビジネスマンにとって大事なことになってくるのです。だから「脱スーツ・デー」は決して「仕事にはカジュアルがいい」というだけではない。
おかげさまで、取引先のお客様からも好評で、脱スーツ・デーを楽しみにしてくださり、コミュニケーションのきっかけにもなっている。今年5月から、水曜日も追加して、週2日の「脱スーツ+」としました。社内にセルフカラー診断や一流の靴磨き等を体験できる場を新設します。社員にさらなる刺激を与え、創造力を活性できることを期待しています。
最近はスーツでも、既製服よりもオーダーメイドに注目が集まっている。自分で選び、考えられる自由度が受け入れられるという流れなのかな、と思います。(岡藤さん)
\ 岡藤さんに1問1答 /
ビズカジでこれはNGと思う着こなしは?
だらしのない皺が入っていること。風合いなどのお洒落な皺とは違うズボラな皺には注意。
カジュアルデーに心がけることは?
服だけでなく、時計やベルト、靴、メガネなど、小物にも気を遣ってもっとお洒落を楽しむ。
どのようにご自身をアピールしますか?
例えば今日のボーダーソックスのような遊び心かな。ちなみにこれは「ハッピーソックス」。
[MEN’S EX2018年07月号の記事を再構成]
撮影/岡田ナツ子(取材)、長尾真志(取材)、荒金篤史(取材) 文/安岡将文、池田保行(04) 構成・文/伊澤一臣