リーダーとしてビジネスを牽引する男たちが愛読する本&愛用するメガネ。そこには日々、厳しい競争の中で奮闘する彼らの思考法やビジネス哲学が宿っている。
Profile
東京スター銀行 代表執行役頭取 CEO
佐藤 誠治氏
1958年生まれ。香川県出身。’82年、早稲田大学政治経済学部卒業後、東京貿易(現東京貿易ホールディングス)入社。’89年、三井銀行(現 三井住友銀行)入行。バンコック支店長などを経て、2013年、常務執行役員。 ’15年、三井倉庫ホールディングス取締役。’16年、東京スター銀行入行、代表執行副頭取。’17年4月より現職。
銀行員がメガネ選びで優先すべきこととは?
礼儀正しくて、真面目。仮にこれを「銀行員」のステレオタイプとするならば、東京スター銀行の頭取である佐藤誠治氏は、確かにそのオーラを纏っている。だが、かといって、氏の第一印象にとっつきにくさはない。むしろ、親しみやすさが感じられる。ご自身の顔立ちにもよるのだろうが、顔なじみのいいハーフリムのメガネがそれを際立たせているようだ。聞けば、ブランドは「フォーナインズ」。ビジネスシーンでは、もっぱらこれを愛用しているという。
「福井の鯖江でつくられているフォーナインズのメガネは掛け心地がよくて疲れにくいし、また、デザインが素晴らしい。シンプルにして洗練されています。銀行員は、仕事柄、お客様や行内のスタッフからの信頼を獲得しなければいけませんが、そのためにはなるべくネガティブな要素を減らしたほうがいい。それで言うと、このメガ ネは申し分ありませんし、しかも、柔軟な印象を演出するのにも一役買ってくれる。私の銀行員としての在り方にも通じるのです」
東京スター銀行が、豊富な金融商品を揃えて資産運用に力を入れたり、全国の店舗にご相談ブースやセミナースペースを設けたりするなどの新しい感覚を持った銀行であるとしても、佐藤氏が、以前は30年近くメガバンクに勤めていたことを思えば、「柔軟」という発言は新鮮だ。その感想を正直に伝えると、氏は「私は、銀行をお客様のサポーターと定義づけている」と前置きしたうえで、こんな話をしてくれた。
「鄧小平は『黒い猫でも、白い猫でも、鼠を捕るのが良い猫だ』という言葉を残しています。要は、資本主義でも社会主義でも、経済が発展すればいい、ということですが、私もこれに同感です。大事なのはパフォーマンスであり、やるべきことをやって実績を上げていれば、身なりは問いただす必要のないもの。実際、うちのドレスコードはかなり自由です。ただし、銀行員たるもの、お客様を不快にさせてしまってはパフォーマンスを上げられません。職務を全うしようとすれば、良識をわきまえたスタイルを選ぶのが賢明ではないかと思いますね」